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建通新聞社(東京)
2016/05/13

【東京】都 カヌー・スラロームなど4会場で実施設計

 東京都は2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の会場整備で、カヌー・スラローム会場と大井ホッケー競技場、アーチェリー会場、有明テニスの森の4会場の実施設計(施設設計)作業を開始する。現在進めている基本設計を5〜6月に完了させた後、設計内容を精査した上で契約を交わし、17年度の着工に備える。
 カヌー・スラローム会場は葛西水再生センターの敷地内(江戸川区臨海町6ノ1)に新設する。土木構造物として延長300bのスラロームコースや同200bのウォームアップコース、面積1万7000平方bのフィニッシュエリア、ボートエスカレーター2基、橋梁2基、5f程度の外構を整備する。
 また、コース内の水を循環させるためのポンプや浄化、電気設備を配置。併せて延床面積900平方b規模の競技関連諸室や同700平方bの施設運営関連諸室、同1600平方bの管理諸室を新築する。基本設計を5月末納期でパシフィックコンサルタンツ(千代田区)で進めている。
 大井ホッケー競技場は、大井ふ頭中央海浜公園内(品川区八潮4丁目他)の既存の第一球技場などのエリアにメーン施設を新築し、第二球技場を改修してサブ施設として利用する。
 メーン施設は延床面積約4300平方bの規模を想定。約2600席の座席を配置し、大会時は仮設を含め約1万席を確保する。サブ施設は既存の第二球技場(鉄筋コンクリート一部鉄骨造、延床面積1939平方b)を改修して対応する。固定席536席はそのままとし、大会時は仮設で5000席まで増やす。競技フィールドは、メーン・サブともに人工芝を配し、照明や散水、スコアボードなどの設備を整備。第二球技場は現在のフィールド面を撤去した上で施工する。6月23日の納期で基本設計を梓設計(品川区)で進めている。
 アーチェリー会場は、夢の島公園(江東区夢の島2丁目)内にある円形広場の位置に恒設の予選会場を新設し、既存の陸上競技場の位置に決勝会場を仮設で設置。宿泊機能を持つ東京スポーツ文化館(BumB)を大会時に関係諸室として利用する。
 予選会場の整備に向けた盛り土の設計をモデュール(台東区)で取りまとめており、16年度は盛土工事を発注するとともに、施設整備に伴う設計業務を委託する。
 テニス・車いすテニス会場として使用する有明テニスの森(公園、江東区有明2ノ2ノ22)では、5000人分の観客席を備えるショートコート1を新設するとともに、仮設のショーコート2(3000席)を仮設。既存の屋外コートを改修し、インドアコートを新設する。クラブハウスは改築し、コロシアムの屋根や施設内部を改修する考えだ。環境デザイン研究所(港区)で進めている基本設計を5月中に取りまとめる。
 都では設計と並行して▽オリンピックアクアティクスセンター▽海の森水上競技場▽有明アリーナ▽カヌー・スラローム会場▽大井ホッケー競技場▽アーチェリー会場―の6施設について、大会後を見据えた運営計画の策定作業を進めていく方針だ。
提供/建通新聞社