県農林水産部農林水産政策課は「千葉県農林水産関係施策概要」の2016年度版をまとめた。それによると、同部の16年度一般会計予算額は対前年度比12・5%減の465億4559万円となった。営林事業など4会計を合わせた特別会計は4・7%減の5億2992万円。一般会計と特別会計を合わせた総額は12・4%減の470億7551万円。本年度は県農林水産業振興計画の3年目で、同計画の実現に向けて各分野の取り組みを加速させる。
一般会計の投資的経費は対前年度比21・6%減の239億2879万円。投資的経費のうち普通建設費は3・8%増の186億6350万円。普通建設費の補助・単独の別は、補助事業が3・3%増の166億4031万円、単独事業が7・3%増の20億2318万円。
各課別の予算額は、@農林水産政策課127億6615万円(対前年度当初比0・4%増)A団体指導課9億3003万円(0・8%減)B生産振興課23億1414万円(8・2%増)C流通販売課3億5901万円(43・9%減)D担い手支援課13億6318万円(0・5%減)E農地・農村振興課32億5912万円(2・1%増)F安全農業推進課1億1974万円(1・3%増)G耕地課163億5873万円(31・0%減)H畜産課14億1558万円(32・5%増)I森林課33億8954万円(6・2%増)J水産局水産課7億5728万円(23・6%増)K水産局漁業資源課6億5222万円(12・4%増)L水産局漁港課28億6082万円(3・0%減)。
本年度の主要事業は、新「輝け!ちばの園芸」産地整備支援事業3億円、園芸産地競争力強化総合対策事業8億8200万円、農林総合研究センター再編整備事業6985万円、森林整備事業2億3570万円、土地改良事業151億7318万円、漁港建設事業27億9243万円などとなっている。
農林総合研究センター再編整備事業は、老朽化が著しい農林水産総合研究センターについて、機能強化に向けた効率的な研究体制を整備するため、分散する施設を集約し建て替える。本年度は昨年度の基本設計を踏まえて実施設計を行う。実施設計は安井建築設計事務所に委託済み。
土地改良事業では、担い手を育成・支援するため、農地の大区画化・汎用化などの生産基盤整備や農業水利施設の長寿命化・更新整備、農地防災事業などを実施する。主な事業は@県営用排水改良事業24億1270万円A経営体育成基盤整備事業29億7600万円B農地防災事業18億1700万円C直轄事業負担金43億7079万円など。
漁港建設事業は、水産物の生産及び流通機能の強化を図るため、防波堤等の漁港施設を整備するとともに、漁港の老朽化対策や耐震・津波対策などを進める。主な事業は@拠点漁港整備事業9億9010万円A漁港漁村基盤整備事業2億4000万円B水産基盤ストックマネジメント事業9億7200万円C市町村営漁港建設事業2億5053万円D公共漁港災害復旧事業1億500万円など。
このうち水産基盤ストックマネジメント事業は、機能保全事業として経年変化により老朽化した漁港施設の長寿命化を図りつつ、更新コストの平準化・縮減を進めるため、施設の機能診断を行い、保全工事を実施するほか、国の補助制度の一部改正により水域施設の補修が可能となったため、浚渫工事を推進。また機能強化事業として、拠点漁港や防災上重要な漁港で岸壁、防波堤の地震・津波に対する安全性を診断し、施設の機能強化を図る。
一方、新規事業としては、ちばの酪農増産支援事業、ちばの農林水産物品質向上推進事業、産地パワーアップ事業、梨の剪定枝を活用した新商品開発・産地活性化事業、「房総ジビエ」活用普及事業などがある。