新建新聞社
2016/05/05
【長野】ZEH(ゼッチ)推進研究会スタート 工務店の対応を支援
ZEH推進研究会(仮称)は4月26日、長野市内で発起会を開催。建築関連団体、消費者団体、建材メーカー、エネルギー会社、長野県の担当者や学識経験者ら約25人が参加した。
発展解消した「旧信州省エネ住宅普及促進協議会」のメンバーに呼びかけたもの。今後の普及が予測される「ZEH」(ゼロ・エネルギー住宅:ゼッチ)について、情報共有や研究・勉強を行う組織として再スタートする。
ZEHは使うエネルギーと創るエネルギーの収支がゼロ以下になる住宅。経済産業省は「2020年のZEH標準化」を目指し、政策的な支援に向けてあいまいだったZEHの定義を明確化した。
定義の要素は@パッシブ型設計を取り入れ建物の断熱性を高めるA高効率の設備を採用するB太陽光発電などの創エネ設備を備える―の3つ。@は省エネ基準より高い外皮性能を設定しAはエネルギー削減率20%以上を条件化。Bは創エネ分を加えたエネルギー削減率100%以上を求めた(削減率75%以上100%未満は「NearlyZEH」)。
経済産業省は普及に向け今年度もZEH補助を実施するが、これまでの制度を大幅に変更。「事業者の限定」がそれで、ZEHの普及に積極的な事業者として登録されたビルダー・工務店がつくる住宅だけが補助を受けられるようにした。
当日の会合では参加メンバーが自由に発言。建材メーカーから「外皮性能のクリアにはかなりの踏み込みが必要。具体的に仕様をどうすればいいかが問題で、その解決が今後のテーマ」といった意見が出されたほか、工務店・設計事務所からは「長期優良住宅や低炭素住宅などさまざまな指標があり、どれをとらえればいいのか悩ましい」「補助金のどれを顧客に勧めていいかがわからず、それが普及を妨げる一因。半面、大手主導で制度がどんどん進む」といった声があがった。
同会をリードする信州大学の浅野良晴養は「国は2020年に標準的な新築住宅で、2030年に新築住宅の平均でZEH実現を目指すと明言している。高性能な躯体の設計、設備の適切な評個が重要になるのは確実。会では工務店にZEHに取りかかってもらうための手助けをしていきたい」と話した。
今後は経済産業省の担当官を招いた勉強会も企画していく方針。新規メンバーも随時募集する。問い合わせは事務局(長野県環境保全協会内・電話026(l237)6620)まで。
提供:新建新聞社