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建通新聞社四国
2016/05/10

【香川】香川県 職業訓練活用や建設技術資格取得支援で新助成制度

 香川県土木部は建設産業担い手確保・育成支援の新たな取り組みとして、本年度、建設業者などへの助成制度を創設した。2014年度から実施している「建設工事人材確保育成モデル事業補助金」を見直し、実施する「建設工事人材育成促進事業」や、職業訓練の活用を支援する「職業教育訓練支援事業」、資格取得への支援を行う「建設技術資格取得支援事業」―の三つが柱。補助に係る要項を6月ごろに公表し、募集を開始する。
 職場(社内)教育への支援として「建設工事人材育成促進事業」に取り組む。
 人材育成計画を作成し29歳以下の若年の建設労働者の人材育成を図ろうとする事業者に対し賃金の一部を補助する。16年度は30人の育成対象労働者の申請を受け付ける。補助金額は1件32万円以内。
 同制度は県が公共職業能力開発施設に委託し作成、実施する若年者向けの訓練(2日)と指導者向けの訓練(1日)を人材育成期間の前に受講することや、育成期間を通じ、育成対象労働者に社内教育を実施し、訓練実施状況を報告するなどの要件がある。また、人材育成期間終了から1年後、育成対象労働者の雇用状況の報告も必要になる。
 職業教育訓練支援事業は、県内に4カ所ある公共職業能力開発施設(四国職業能力開発大学校、香川職業能力開発促進センター、県立高等技術学校高松校、同丸亀校)を活用し、雇用する建設労働者育成のための教育訓練を実施する事業者などに対し、訓練費の一部を補助する。
 この場合、職業訓練機関が訓練内容や日程などを設定し実施している訓練(レディメード訓練)を受講させた場合、県内の主たる営業所のある建設許可業者を補助の対象として、受講料の2分の1を補助する。訓練受講者は29歳以下が対象。補助対象となるコースは県が別途指定。県立高等技術学校が実施するコースは除くとしている。16年度は200人分程度の補助を行う予定。
 さらに職業訓練機関が事業主などからの要望に応じ個別に訓練内容・日程などを設定して行う訓練(オーダーメード訓練)を受講させた場合は、訓練の受講に要した経費(上限20万円)を補助する。補助対象者は県内に主たる営業所のある建設業許可業者、県内の建設産業団体、組合など。1コース12時間以上で受講者数は原則5人以上などが主な要件。16年度は10件程度の申請受け付けを行う予定。両訓練ともに要項に詳細を決める。
 一方、建設技術資格取得支援事業では、若年の建設人材のキャリア形成を支援するため、建設業で必要とされる技術資格の取得に要する経費の一部を補助する。対象資格は施工管理技術検定資格(1、2級)。具体的には▽建設機械施工技士▽土木施工管理技士▽建築施工管理技士▽電気工事施工管理技士▽管工事施工管理技士▽造園施工管理技士。年齢要件として1級資格を受験する場合は34歳以下、2級資格を受験する場合は29歳以下。対象となる経費は施工管理技術検定の試験受験手数料(学科、実地)、受験講習会受講料(講習に係る教材費含む)。補助金額は経費の2分の1か、3万円のずれか低い額。16年度は100人分程度の補助を行う予定。技能士の資格取得は厚生労働省の既存の助成事業の活用を求めている。
 県は14年10月に「香川県建設工事人材確保育成モデル事業補助金」を創設。15年5月に学識経験者、建設産業団体、教育・職業訓練機関と行政で構成する「香川県建設産業人材確保・育成検討会」を立ち上げ、建設産業における人材の確保・育成対策を検討。ことし3月に「取組指針」をまとめた。

提供:建通新聞社