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建設経済新聞社
2016/05/10

【京都】京都府知事と市町村長が会議 人口減や災害等で意見交換

 28年度京都府知事・市町村長会議が9日、京都市内で開催。人口減少・少子高齢化や災害対策などについて意見交換した。
 山田啓二京都府知事、石井明三京都府市長会副会長、汐見明男京都府町村会会長が挨拶した後、府が28年度当初予算の主要施策を報告した。
 市町村行政の諸課題についての意見交換では、「2人目、3人目の子どもを産んでいただくには保育園の時間延長や放課後児童クラブの充実など環境整備をさらにやっていく必要がある」「開発行政に精通した職員がいない。府から職員を配置していただきたい」「木津川の西部と東部の自治体では格差がある。広域事務組合を1市3町1村で進めているが、さらなる連携が必要。府には事務的支援をお願いしたい」「市街化調整区域制度は見直しで一部緩和されたがまだ問題がある。人口減少、過疎化が進む中、制度のさらなる見直し、緩和が必要」「綾部市は府の許可を得て5月10日に線引きを廃止することになった。これを一つの弾みに新たなまちづくりをしていきたい」などの意見が出た。
 山田知事は「少子化対策は連携が必要。市町村から一定の提起があると有難い」「京都技術サポートセンターを作り、技術者の面では体制を作った」「木津川、京田辺、精華では人口が伸びている」「綾部市は線引きを廃止したが、亀岡市は法律で線引き廃止ができない。地区計画などで対応する必要がある。市長会、町村会でも議論をお願いしたい」「子どもの出生率が少ないのが一番の問題。都市部で特に少ない。この状況を改善しない限り問題はなくならない。改めて連携をお願いしたい」などと答えた。
 市長村長からは「南山城村は三重県伊賀市との定住自立圏構想に参画する。明日、首長が会って協議する。伊賀市を中心に経済が動いており、伊賀市が中心市になる」「城陽市はまちが大きく変わっている。市役所庁舎の耐震等を進めている。教育委員会は別に庁舎があり集約しようと考えている。古川では浸水対策が31年度までに進められる。井手町との白坂テクノパークの整備を進めており、交流人口の増加や従業員の住まいが増えることで人口減に歯止めがかけられるのではないかと考えている。城陽ジャンクションの工事も今日から再開する。新市街地の日本郵便の工事も7月から工事が始まる。産婦人科が城陽市内になく、誘致を進めており、引き合いも来ている。城陽警察署の移転では新たな場所を早期に選定していただきたい」「向日市は、市街化調整区域の件について地区計画を立てていく方針。市民会館・中央公民館のIs値が低く4月から使用を停止した。市庁舎も未耐震のため対策への支援をお願いしたい。中学校給食を考えているが、建てられるところは1つの中学校しかない。ただ市街化調整区域にあり、建てる場合も工場扱いになる。柔軟な運用をお願いしたい」「京都スタジアムは環境保全専門家会議から建設位置変更の提言を受けた。スタジアム関連予算では約50億円の支出を見込んでおり、用地費は既に支出した。土地の単価は10倍違い、新たに土地を買うのはハードルが高く財政的にも厳しい。府の力をお借りしたい。亀岡会館なども耐震の関係で使用を中止している」「府立高校の在り方について再編が検討されているが、与謝野町の町内唯一の府立高校は存続とともに、全国から人が集まるような魅力的なものにしていただきたい」「宇治田原町では新名神高速道路の整備が進んでおり、周辺道路のネットワーク整備が必要」「伊根町は農林水産業が基幹産業。就業者の確保が課題で支援をお願いしたい。府民公募型公共事業は地方創生の先駆け的な事業として住民からも喜ばれている。予算の増額をお願いしたい」などと提案・要望した。
 山田知事は「南山城村の三重県伊賀市との定住自立圏構想についてはスピード感を持って我々も支援をしていきたい」「古川など山城南部は河川の問題が厳しく、天井川も含めしっかり対応していきたい。監視体制などソフト面でも(災害からの安全な京都づくり)条例制定に向け最終段階にきている」「向日市の中学校給食の件は解釈で対応できるとは考えており、検討していきたい」「亀岡の京都スタジアム予定地付近のアユモドキは貴重種であり、国・府・市が連携し日本の財産としてアユモドキを残すというフレームをつくりたい。亀岡市の支出が無駄にならないようにしたい」などと答えた。