平成28年熊本地震に対応するため行政と県内建築関係6団体による合同対策会議が4月26日、建設会館で開かれた。各団体に殺到している県民からの相談窓口を一元化し情報を共有化することや、今後とも団体間での連絡を密するため対策会議の継続などを申し合わせた。
行政から県土木部建築課、業界から県建築士会、県建築士事務所協会、日本建築家協会九州支部、県建築協会、日本建築構造技術者協会九州支部、県設備設計事務所協会のほか、県建築住宅センターと福岡県建築士事務所協会を含め総勢約30人が参加した。
現在の状況について県建築課の佐澤毅主幹が「全国からの応援を受け、応急危険度判定に全力を注いでいる」と説明する一方、現場では同判定に対し「り災証明書発行のための調査だと思った」「耐震診断ではないのか」と誤解されているケースが目立つと話した。
各団体は、県の要請による応急危険度判定士の派遣や市町村からの調査依頼、被災者からの電話相談などに取り組んでいることを報告した。数多く寄せられている建物の安全性を確認して欲しいという要望に対しては「何とか対応し不安の解消に努めてあげたいが、責任の所在がネックになる」との声があがった。このほか、震災建築物の被災度区分判定の円滑な実施に向けた方策や、復旧工事が本格化した時の労働者・資材不足を懸念する意見なども出された。
相談窓口の一本化については、福岡県西方沖地震で実施したという福岡県建築士事務所協会が「情報を共有化でき、スムーズな対応が可能となる」とアドバイスした。次回の合同対策会議は5月19日に開く予定。
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西日本建設新聞社