日刊建設工業新聞
2016/05/02
【鳥取】県土整備部 わかさ氷ノ山トンネルの工事,1244b35億円規模3社JVで近く発注
県土整備部は28日、国道482号(舂米BP)わかさ氷ノ山トンネル工事(交付金改良)=若桜町茗荷谷〜舂米=の設計図書を固めた。2016年度最大の大型土工は政府調達・WTO契約案件(24億7000万円以上)で、5月13日にも一般競争入札として工事公告する。請負対象設計金額は35億円規模。
県発注のトンネル工事は14年3月の若桜・江府線助谷トンネル(533b)以来で、「1000b超級」は12年8月の国道178号岩美道路・道竹城トンネル(1187b)以来4年ぶり。
舂米バイパスは若桜町茗荷谷〜舂米間を延長1350b、幅員6(8)bで結ぶ山岳に建設するルート。八頭県土整備事務所によると、(仮称)わかさ氷ノ山トンネルはバイパス内の主要構造物。現在、茗荷谷集落入り口付近で舂米川橋(76b)の上部工を整備しており(=写真)、完成後に上部工を通過してバイパス下側から片押しで掘削する。
NATM工法を採用するトンネル工は延長1244b、幅員6(7)b。切り土量8万立方bのほか、インバート工、坑門工、舗装工、排水構造物工などを施工する。
予算は16〜18年度の3カ年債務35億円を確保。工期は19年3月15日まで。19年度に照明設備を別途発注して、トンネルとともにバイパス全線を完成させる。
トンネル工の発注にあたっては、WTO案件となるため国内外の企業を区分することなく一般競争で公募する。主な条件は過去にトンネル延長1100b以上の実績がある土木一式P1200点以上の会社を代表者とし、P960点以上の2社を構成員とする3社JV。
低入札価格調査制度を適用し、調査基準価格(予定価格の88%程度)を設定する。また、失格基準(同85%程度=2億円以上WTO対象額未満)はWTO案件であり、同部は「(失格基準の)総額を設定できない」(県土総務課)と説明。このため3月にまとめた失格基準の算定式を準用し、「直接工事費+共通仮設費」「現場管理費+一般管理費」の各費目を下回った場合は失格とし、極端な低入の抑止策とする見通し。
なお、県内企業がJV構成員として受注した際、落札決定後(7月中旬〜8月上旬)から16年度内(17年3月21日まで)にかけ総合評価の「受注額点」に1億8400万円が加算される。
今後のスケジュールについて、同部は今月13日にも一般競争入札を告示し、2カ月後の7月13日ごろに開札。8月上旬までに仮契約を締結し、その後9月県議会で工事請負承認に同意を得た上で10月中旬から着工する。