日本工業経済新聞社(茨城)
2016/04/21
【茨城】笠間市が井筒屋耐震へ
笠間市は、笠間稲荷周辺まちづくり整備事業で新年度、旧井筒屋本館耐震補強・改修工事や道路景観整備などを実施する。当初予算には総事業費2億1663万9000円を計上。新年度のなるべく早い時期に基礎設置や曳き家を行い、順次工事を発注していく。あわせて、周辺整備として本館東側への民間による商業施設や宿泊施設などの誘致も進めていく。
市の観光の中心である笠間稲荷周辺は、観光客の滞在時間の減少などにより、空き地や空き店舗が増加し、まちの魅力が低下している。そこで、笠間稲荷周辺の昭和のにぎわいを取り戻すため、景観整備を行うとともに、東日本大震災で廃業した旧井筒屋旅館本館(笠間987)を改修し、ランドマークとして活性化を図りたい考えだ。
事業対象地の面積は4707・33u。旧井筒屋はW造(在来軸組工法)地上3階建て、延べ床面積583・01u。建築年は1894年。1階はエントランスホールや事務室、観光インフォメーション、倉庫、トイレとする。2階には歴史展示コーナー、3階には会議室などを配置する。設計は褐囃z設計室匠工房(つくば市)が担当。新年度予算額は1億8573万9000円。
道路景観整備は工事延長75mを計画。歩行者に優しく、景観に配慮した道路整備を実施する。新年度予算額は3090万円。
周辺散策路整備は17年度に実施予定。近隣の笠間日動美術館や大石邸跡、佐白山などを散策できる遊歩道(歴史の小径、竹の小径)や広場を整備し、自然、歴史、芸術などに触れ合えるエリアとする。
このほか、本館東側に民間事業者を誘致した物販・飲食店棟の整備も検討する。
なお、2016〜18年度実施計画では、3カ年の事業費4億7420万円を設定している(16年度=2億1530万円、17年度=2億5390万円、18年度=500万円)。