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日本工業経済新聞社(茨城)
2016/04/14

【茨城】中央病院新棟整備へ基本設計など

 県病院局は、本年度の主な取り組みをまとめた。中央病院では新棟整備に向けた基本設計に着手するほか、歯科口腔外科開設に向けた施設整備を行う。こころの医療センターでは難治性統合失調症患者に対する治療体制や睡眠医療体制を整備するため、既存施設を改修する。こども病院では老朽化に伴い空調設備などを更新する。
 中央病院の新棟はRC造5階建て、延べ約1万2200uを見込んでおり、内部には診療機能として、手術室や集中治療室(ICU、HCU)、リハビリ室を、教育・研修機能として講義室や研修室、医療スキルトレーニング室、図書室などを配置。また医師執務スペース、レジデント室、当直室、更衣室なども確保する。
 本年度に基本設計、来年度に実施設計を策定。18〜19年度の2カ年で建設工事を行い、20年度の供用開始を目指す。
 新棟整備までの間には、喫緊の課題となっている医師や看護師などの執務室、当直室および更衣室、講義室などを確保するため、リースのプレハブ棟を看護師寮跡地に設置する。期間は本年10月〜21年9月までの5年間を予定しており、事業費は総額3億3228万5000円を見込む。
 また口腔がん手術や歯科診療所では対応困難な口腔外科に対応するため、歯科口腔外科を開設する。9月までに歯科口腔外科室の改修工事を行い診療体制を整備。10月から外来診察を実施する見通し。本年度予算では、改修工事および歯科用ユニット購入費などに総額4393万6000円を盛り込んだ。
 こころの医療センターでは、民間医療機関での実施が難しい難治性統合失調症患者に対するクロザピン治療を積極的に行うため、既存病棟を改修し、診療体制の充実を図る。
 工事内容としては、既存病棟の4人部屋5室を個室10室に改修し、壁などを強化。手洗い付きトイレや監視カメラなどを整備する。また、睡眠時無呼吸症候群の治療体制充実と受診者の利便性向上を図るため、内装工事などを行い、本年度に「こころの医療センター付属睡眠医療クリニック(仮称)」を開設する。
 こども病院では、診療機能の維持および環境充実に向け、2号棟の空調熱源設備や2A病棟無菌室の空調設備などを更新するほか、構外に職員用の駐車場を整備する。本年度予算では、2号棟の空調熱源設備改修に5792万1000円、2A病棟無菌室空調設備などの改修に1403万1000円、駐車場整備に1270万3000円を計上した。
 このほか、県立3病院において、電子カルテシステムをはじめとする薬剤・検査・放射線・栄養など各部門で使用する約80種類のシステムや、3病院の端末約1700台を更新。連携医療機関にカルテ情報や放射線画像を公開する地域連携システムも更新する。