山武郡市広域水道企業団は、九十九里地域末端給水事業体の事業統合に向けた取り組みを本格化させる。本年度で「県内水道の統合・広域化の進め方に係る九十九里地域水道事業体会議」を設置し、今後の進め方を検討するとともに、事業統合を中長期的及び包括的に検討するための基礎調査を実施する。基礎調査は、27日に「九十九里地域末端給水事業体の統合に係る基礎調査業務委託」の公募型プロポーザルを公告した。
今月27日から6月2日まで応募を受け付け、6月7日または8日にプレゼンテーションを実施し、最優秀提案者を決定、同15日に選定結果を通知する。委託期間は2017年2月28日。委託金額の上限は1000万円(消費税込み)。
応募資格は、@同企業団の建設工事等入札参加業者資格者名簿の「測量・コンサルタント」に登載A建設コンサルタント登録規定に基づく登録を「上水道及び工業用水道」部門で受けているB複数事業体における広域化(事業統合)の検討業務について、06年度以降に完了した業務で2件以上の実績がある――など。
九十九里地域末端給水事業体の統合の検討は、県が昨年9月に示した県内水道の統合・広域化の検討「県内水道の統合・広域化の進め方(取組方針)」に沿って実施している。同企業団と長生郡市広域市町村圏事務組合水道部、八匝水道企業団、山武市水道課の4者で組織する「県内水道の統合・広域化の進め方に係る九十九里地域水道事業体会議」を本年度で立ち上げた。また、会議の下部組織として実務的な検討を行うための作業部会を設置。同会議は今月21日に第1回目を開催し、基礎調査の内容等について審議、今回の事業者選定となった。
選定された事業者は、同会議に参加し必要な助言を行うとともに、構成市町村への説明も実施する。会議は来年2月末までに3回程度、作業部会を4回程度開催する予定。
統合に向けたスケジュールは、本年度で基礎調査を実施し、来年度で基本検討、基本計画案を策定。18年度でそれまでの検討結果を取りまとめて審議し、実現の可否を判断する。実現の可能性があれば統合協議会を設置し、統合に向けた具体的な検討に入る。
基礎調査の主な業務内容は次の通り。
▽基本情報の収集・整理等=@業務統計(給水人口、用途別有収水量、1日平均給水量、1日最大給水量等)A財務統計(収益的収支、資本的収支、貸借対照表等)B施設諸元(施設能力、主要設備の仕様、経過年数等)C運転管理・維持管理情報(配水日報、保守点検・修繕の記録、漏水・破裂等の管路事故の記録、水質事故・その他の事故の記録、漏水調査等の各種調査報告書等)を含む各種情報の収集
▽業務指標を利用した現状評価=@水質検査箇所密度、管路の耐震化率、技術職員率、料金回収率等を含む各種現状の評価
▽予測に基づく将来の見通しと評価
▽問題点の抽出と課題の把握
▽目標の設定