県県土整備部河川整備課は、都川水系河川整備計画の策定作業を進めている。先月開催した「第8回都川流域懇談会」(座長・高橋彌元千葉工業大学教授)で、都川水系河川整備計画原案について審議、承認された。今後、国交省の同意を得て計画が決定する。原案は、策定機関に千葉市を加え、県と千葉市の共同策定とし、河川整備の目標で津波対策を、河川整備の実施で葭川排水機場の長寿命化をそれぞれ追加。また超過洪水対策で、近年の災害を踏まえてソフト対策による「減災」「多重防護」「総合対策」やパートナーシップ強化の考え方を盛り込んだ。
原案は2004年3月に策定し、12年11月に基本方針を策定したが、その後、08年4月に坂月川の管理者が県から千葉市に移管。東日本大震災の発生や、近年頻発する局地的豪雨、排水機場など河川管理施設の老朽化など河川を取り巻く状況が大きく変化していることから計画を見直すことにした。
津波対策では、県が13年11月に策定した東京湾沿岸海岸保全計画をもとに、元禄地震を対象に設計津波の水位をAP+4・23mと設定。葭川排水機場については12年3月に長寿命化計画を策定。同計画に基づき、施設の計画的な点検・整備・更新など予防保全を実施することでライフサイクルコストを縮減する。
都川流域の指定区間延長は、都川13・0q、葭川1・0q、支川都川6・5q、坂月川3・1q。
都川は水源橋から祐左衛門橋までのL5400mを整備中。洪水を安全に流下させるための河道拡幅や築堤、護岸、さらに洪水を一時的に貯留し下流域に負担を軽減するための都川多目的遊水地(14・2万立方m)を整備。
河道は、遊水地から坂月川合流点までを年超過確率50分の1規模の断面で整備。事業完了まで長期間を要することから、年超過確率10分の1規模の断面で整備し、早期の効果発揮を目指している。今後は、坂月川合流点の下流の河道整備、丹後堰公園脇の築堤、支川都川合流点の改修、坂月川合流点の上流の河道整備などを予定。整備延長は約5400m。
一方、坂月川は、流域で開発等に伴う都市化により、雨水の流出量が増大し、浸水被害が発生していることから、1975年度から都市小河川改修事業により改修を開始。93年度に時間雨量30o(年超過確率2分の1)規模に対応する暫定整備が完了。その後、千葉市管理河川となったことから、市民協働を念頭に、坂月川の改修に関する懇談会を設置し、時間雨量50o(年超過確率10分の1)対応の工事が進められている。今後は、小桜橋から小倉町の桜木都市下水路の放流口にある谷頭橋付近までを整備する。