園田市長が方向性 関係部署にスピードアップ指示 本年度中に建設地決定 甚大な被害を出した熊本地震で宇土市役所が倒壊寸前になったことを受け、大村市の園田裕史市長は市議会全員協議会の席上、老朽化する市庁舎に関して、本年度中に方針を示すとした。市長自身の考えに加え、市議会や市民の意見を参考にしながら、建設候補地を絞り込む。市長らからスピードアップを図るよう、指示が出ているという。
21日に開かれた市議会全員協議会で、議員から「真剣に検討するべきだ」との意見が出た。議員の発言を踏まえ、園田市長が市庁舎の建て替えに関して言及。本年度中に建設候補地を絞り込む考えであることを明らかにした。これに関連し市側は、危機管理体制のリスク分散についても協議していく構えだ。
今回の熊本地震で分かるように、地震はいつ、どこで起こるか予測できないもの。震災発生時、市庁舎は防災拠点となるべきものだ。それだけに、早め早めの対応が必要。今回の地震を受け、市庁舎の建て替えが、緊急的に進めるべき事業の一つに浮上した。
市庁舎の老朽化問題に関して園田市長はこれまでに、新築移転するとの考えを表明。その際の建設候補地として自身のマニュフェストでは▽さくらホール駐車場▽九州新幹線新大村駅前―の2カ所を提示。これに限定せず、市議会や市民の意見を参考にしながら、新市庁舎の建設予定地を決めるとの見解を示している。
現庁舎は本館が築約50年経過。別館も築後約40年と古く、老朽化が次第に深刻化している。本館、別館のいずれも耐震補強を施しておらず、震度6以上の地震が起きた際、倒壊や崩壊の危険性が指摘されており、地震に備えた早期の対応が必要となっている。
市によると、庁舎整備基金の積立額は2015年度末時点で15億2000万円。新築に要する総費用や建て替えの時期などに関しては、具体的に決まっていない。