いなべ市は、北勢町阿下喜地区に計画している新庁舎の建設に向け、補正予算措置を行い12月議会案件として発注する見通し。現在、実施設計を日建設計名古屋オフィス(名古屋市中区)に委託し、6月末の納期で進めている。建築工事と設備工事を一括とするかどうかを今後決める。
庁舎は行政棟、議会棟、保健センター棟、シビックコア棟の4棟で構成。構造は鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造と木造。階数は、行政棟と議会棟がそれぞれ地下1階地上2階建て、保健センター棟が地上2階建て、シビックコア棟が地上2階建て。総延べ面積は1万4612平方b。最高高さは約20b。駐車場台数は307台。施設内に車椅子対応のエレベーターを設け、各棟に多目的トイレを設置するなど、ユニバーサルデザインを徹底する。敷地内は、できるだけ歩車分離にするなど安全面に配慮する。
さらに、災害時の建物運用を想定し、災害対策本部としての利用を想定した庁議室▽炊き出しに利用できるシビックコア棟の厨房▽敷地に面する全ての道路から敷地内に出入りできる出入り口▽2階テラスを避難経路としてだけでなく、水害・土砂災害時に活用できる避難場所―などを設ける施設計画とする。また、自然換気や自然採光、蓄電池を備えた太陽光発電、太陽熱などをインフラ断絶時に利用できる施設とすることも想定している。行政棟を免震構造とし、免振装置を設ける。議会棟と保健センター棟、シビックコア棟を耐震構造とする。2016年度に実施する建築工事の中に、シビックコア棟の南側へ整備するテナント施設の7棟と車庫を含める予定だ。
員弁町笠田新田地内ほかにある完成後30〜40年を経過して老朽化した四つの庁舎を、東海環状自動車道路と各国道が集まる高台に集約する。建設予定地の敷地面積は約3万5400平方bで、現在は山林となっている。合併特例債を活用し、18年度までに完成させる。
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建通新聞社