日本工業経済新聞社(群馬)
2016/04/22
【群馬】群馬東部水道企業団、事務管理や設計施工をまとめて委託
群馬東部水道企業団は本年度、事務管理から各種施設の設計・施工、監理業務などをまとめて委託する「事業運営及び拡張工事等包括事業」の事業者を選定する。2017年度からの水道事業の運営や受水池など施設・管路の整備、老朽化した施設の更新などについて、一部の施工を除きまとめて委託するもので、参加企業は最大6者によるグループを構成し、提案を競うことになる。企業団企画課は説明会を今月28日に開く予定で、26日まで参加申し込みを受け付ける。
今回の包括業務には老朽管の更新工事を除く、企業団の水道施設や管路の整備における設計・施工、施工監理が含まれる。老朽管更新に関わる設計も含まれるため、企業団の事業における測量設計など建設コンサル業務の大半は包括事業の対象となっている。
参加条件には地域要件はなく、参加者の本店や営業所などの所在地に関係なく応募することができる。グループ構成員には、同企業団の入札参加資格があることのほか、@給水人口20万人以上の上水道事業での料金徴収業務A日量2万立方mの浄水施設での運転管理業務B上水道事業の管路施設管理業務―の実績が求められる。各社ごとではなくグループ全体でこれらの実績を満たしていれば認められる。
構成員のうち施工を担当する企業は、総合評価値(P点)が水道施設工事850点以上、土木工事950点以上、電気工事850点以上が条件。これらの点数も単体企業に求めるのではなく、グループ全体で条件を満たせば参加可能だ。
説明会へ参加を希望する企業は、企業団HPにある参加申込書に記入し企業団企画課(kik aku@gtsk.or.jp)に26日17時までに郵送する。
説明会後、参加企業は自主的にグループを構成し、7月25日までに応募表明書を提出。プレゼンやヒアリングなどの審査を経て、10月下旬ごろに事業者を特定する。特定されたグループは、企業団と共同出資し、事業を行う会社を設立する。同課によると審査では、価格よりも、これまでの運営や管理、施工実績に比重を置くという。
業務内容は、<2474>浄水場など関連施設管理、管路施設維持管理、給水装置関連、料金徴収、事務管理、<2475>広域化に伴う施設再構築のための施設整備(設計、施工)、<2476>広域化に伴う施設再構築のための管路整備(設計、施工)、<2477>老朽化した既存施設・設備の更新整備(設計、施工)、<2478>老朽化した既存管路の更新委託(設計、発注支援、施工監理)、<2479>その他事業(区画整理や国県道工事に伴う配水管の移設)における関連委託(設計、発注支援、施工監理)―。
<2477>の老朽化した施設の整備については、事業費を70億円とし、企業団が保有する施設の概要を要求水準書に記載。市町間を結ぶ連絡管路の工事予定も載っている。
石綿セメント管などの老朽管敷設替え工事は、来年度以降も同企業団が直営で、3市5町の各地域にある建設業者を対象に入札を行い発注する。その他の包括委託に含まれる工事では、共同出資会社(受注したグループの施工担当企業)による施工のほか、他の施工会社へ再委託することも可能。ただ同企業団の入札参加資格がない企業に再委託する場合は、同企業団との協議が必要になりそうだ。
これまで地域の水道事業を支えてきた地元企業にとって今回の包括委託は、事業量の減少につながる可能性もある。同企業団は同委託の実施にあたり、民間の資金やノウハウを活用した効率的な運営というメリットを生かしつつ、公益性を損なうことがないようにする方針。