滋賀県は、施設の狭あい化や、小児医療のニーズの変化等に対応するため、県立小児保健医療センターの施設整備へ向けて今年度に基本計画を策定する。
同センターは、成人病センター隣接地の守山市守山5丁目に昭和63年4月に開設。学童病棟60床(うち個室15)、乳幼児棟40床(うち個室4)の病床数100床、9診療科の病院部門と、早期発見、早期治療・訓練のための精密検診など保健指導部門、児童発達支援センター(定員70名)の療育部門からなる。
開設時に比べて重症障害児や発達障害児が増え、人工呼吸器等の機器を必要とする患者への対応や、ICUに匹敵する医療・看護の必要性が高まっているほか、長期入院患者の在宅移行に向けた受入れなどNICU後方支援や重度障害児等に対する救急医療の機能強化への期待が高まっているなどの課題を抱えている。
これらの課題に対して県は、小児難治・慢性疾患、小児整形疾患の分野の機能強化の方向で同センターの機能の再構築するとともに、成人病センター、精神医療センター、県立リハビリテーションセンターとの協働により、子どもから大人まで切れ目ない医療を提供する方針。
27年度にまとめた基本構想によると、機能再構築に向けて、診療体制整備、病棟・病室整備、組織体系整備、病病連携・在宅医療連携体制の整備、施設(建物)整備の基盤整備を進める。
病棟・病室整備では、各病棟の個室を増やし、病室1床あたりの面積を拡大、全体の病床数100床を維持する。
また、施設整備の考え方では、病棟部分を拡張するため施設整備(改築または増築または新築移転等)が必要で、建設後約40年経過した療育部施設を病院本体を一体化、小児保健医療センターと成人病センターの接続が重要とし、病院等施設整備について整理するため、28年度に基本計画を策定する。
基本計画の策定では、@小児保健医療センターと成人病センター等との医療連携に係る具体的方策とその効果A保健指導部および療育部のあり方B医療技術部門のあり方C事務局のあり方D職員体制E機器整備F病院等施設(建物)整備(位置、規模および必要設備等)G守山養護学校の取扱いH整備計画(概算事業費、収支シミュレーション、整備スケジュール)−について整理する。