日本工業経済新聞社(山梨)
2016/04/19
【山梨】県建協が知事へ要望
県建設業協会は、後藤斎知事に「公共事業予算の増額と安定確保」「公共工事の早期発注」についての要望書を18日に提出した。協会の浅野正一会長は、熊本地震による大被害を踏まえ、防災対策の重要性をあらためて強調するとともに、県内の社会資本整備の積極的な推進、公共事業の前倒し執行の実行などを求めた。
要望活動には、浅野会長をはじめ副会長などが参加。
浅野会長は、熊本地震による大災害が山間部でも発生していることを憂慮。同じように山間部が多い山梨県でも備えなけばならないが、本県の災害対策も不十分で、県民の生命や財産を守るため、今まで以上の防災対策、インフラの老朽化対策を実施していただきたいと訴えた。
また、長年の公共投資の抑制で県内の建設業の経営が悪化し、担い手の確保・育成が困難である現状を指摘。地域の雇用を確保し、地域経済を支え、災害時にはいち早く現場で対応する地域建設業の社会的責任を果たすためには、安定した経営の確保が重要とした。
一方で、後藤知事が、予算の前倒しが可能な事業は9月末までに執行するよう関係部に指示したことに感謝を表すとともに、確実に実行されることを望んだ。
後藤知事は、要望内容に理解を示し、今回の地震災害を教訓に県の対策の見直しを関係部局長などに指示したことを紹介。
また、社会資本整備がもたらすプラス効果に触れ、リニア中央新幹線の開業を見据えて計画に社会資本整備を進めていくことが大事と述べた。
県公共予算の前倒し執行については、現状の経済情勢を見て指示したと説明。下半期の対応についても、国の対応などを踏まえつつ、発注の平準化も考えながら対応していくとした。
そして、災害に備えるインフラ整備、県勢発展の土台を築く社会資本の整備に「最大限、努力していく」と応じた。