松阪市は、公共施設の適正化を目的とした「松阪市公共施設等総合管理計画」(案)を公表した。計画案についてのパブリックコメントを5月9日まで受け付ける。
同市では、1960年代から70年代にかけて人口急増や増大する行政需要に対応するため、学校施設をはじめとした各種公共施設や道路・橋梁などの公共施設の整備を進めてきた。
これらの施設は整備から40数年が経過し、老朽化が進むとともに、耐震化やバリアフリー化、省エネ化などへの対応が求められている。
また、人口減少や少子高齢化に伴う人口構造の変化により、公共施設に求められる機能や役割を見直す必要がある中で、今回の計画案では、公共施設などの現状と課題を整理し、市民サービスを把握した上で、最適な管理を行う取り組みなどをまとめた。計画期間は2055年度までの40年間としている。
計画案の中で、市が所管する696施設、総延べ床面積約62・2万平方bの公共建築物については、建築後30年以上のものが総延べ床面積に対して全体の約54%を占め、さらに10年後には全体の約80%を占める見込みとなっている。
施設の更新費用については、今後40年間で約1556億円、年間平均で38・9億円が必要であり、10年度から14年度までの5カ年の維持更新費用の年間平均である25・4億円に対して約1・5倍必要な算定。人口についても40年間で約3割の減少が見込まれており、歳入も普通交付税が合併後10年を経て、20年度には現在より約10億円減額する見通しとなっている。
こうした公共建築物利用者の減少や、維持管理費の確保が困難であることなどから、同市では30年後の46年度から55年度までに現在の総延べ床面積を40%以上削減することを目標した。当面は16年度から25年度までに20%の削減を目標としている。
今後は公共建築物を長期的に利用できるように用途変更する仕様にしておくことや適切な時期に長寿命化のための改修を行うことで、耐用年数を延命化させる取り組みを行っていく。
さらに、統廃合により見直すこととなった土地建物については、売却処分や他用途への転換を図るなど将来活用できる財産の有無を適正に判断し、活用方針を見出していく。
提供:
建通新聞社