気多大社(羽咋市寺家町)は今年度から3カ年で、国指定重要文化財の拝殿と神門の保存修理事業に着手する。屋根のふき替えのほか、耐震診断なども予定しており、全体事業費には1億3000万円程度を見込む。
気多大社の建造物で国の重要文化財に指定されているのは、本殿、摂社白山神社本殿、摂社若宮神社本殿、拝殿、神門の5棟。このうち、特に風雪などの影響で傷みが激しい拝殿と神門の2棟について保存修理に取り組む。
拝殿は、桁行約5・4メートル、はり行約5・4メートル。屋根は入母屋造りで、桧皮葺(ひわだぶき)の妻入り。1653(承応2)年から54(同3)年ごろにかけて建立されたとされる。
神門は四脚門という形式で、1584(天正12)年ごろに建立。切妻造りで、屋根は桧皮葺となっている。
羽咋市学校教育課文化財室によると、保存修理では、先行して桧皮葺の屋根のふき替え工事からスタートする。並行して耐震診断も行い、その後、補強が必要と判断した場合には、木材部分の耐震化などにも着手する。
事業は文化庁や県、市からの補助金を活用して進められる。
拝殿と神門はいずれも1961(昭和36)年に国の重要文化財に指定されている。