佐藤工業(本社・東京都中央区 宮本雅文社長)は15日、富山市の北陸支店で新入社員導入教育の開講式を開いた。
今年度から建築技術系の新入社員を対象に、発祥の地で初めて実施。現場での専門用語が理解できないなど、戸惑う社員がいたため、配属前に最低限の知識を習得させ、不安の大きな新入社員が互いに悩みを打ち明けられる関係を構築してもらう狙いで開催された。
式には全新入社員25人が出席。冒頭、執行役員建築事業本部長の伊藤隆実氏が、「建築は他の物づくりと違い、高額な商品。対価に見合う価値を提供する義務がある。大量生産でなく、オンリーワンを造るには手間も掛かる。建物が存在する限り、ベストパートナーとしてお客さんの事業を下支えすることが特徴」と説明し、「将来有効な知恵が出せるような土台を作ってほしい。情熱を持って最後までやり遂げ、チャレンジする人になり、信頼される佐藤工業マンとなるよう期待している」とあいさつ。
新入社員は28日までの期間、設計図・施工図の見方や墨出し、コンクリート数量の拾い出し、デジタルデータ管理の基本操作などを演習。富山市内の同社施工の著名な建造物や佐藤記念公園、黒部川電源開発の現場を見学し、社の歴史や伝統に理解を深める。研修を終えた社員は、ゴールデンウィーク明けに全国の各現場へ配属される。
石川県出身の伊藤本部長(57)は、「発祥の地の歴史を肌で感じることで、愛社精神の醸成にもつながる。東京にはない良い環境もあり、北陸の情緒を感じてもらえれば」と富山での研修の狙いを話している。