国土交通省木曽川上流河川事務所は、2016年度の予算と主要事業を明らかにした。事務経費など業務取扱費を除いた予算総額は前年度当初比1・09%増の105億1166万円。受託工事の河川工事が前年度当初予算から3億8560万円増の6億6700万円、河川整備事業の河川工作物関連応急対策事業が1億2232万円増の4億0484万円となった。
16年度事業方針として、河川改修では木曽川や揖斐川、支川牧田川の堤防整備や長良川中流部の河道掘削などを継続推進。維持管理では堤防法面や護岸の補修など。環境整備では揖斐川支川杭瀬川の緩流域環境の整備・保全推進など。木曽三川公園ではフラワーパーク江南のU期エリアの開園に向けた基盤整備・園路広場整備の継続整備など。横山ダムでは流木処理・貯水池に堆積した土砂掘削の実施などを盛り込んだ。
16年度予算のうち、河川整備事業費は前年度当初比2・5%減の82億1020万円。内訳は、特定構造物改築事業を含む河川改修費が41億2300万円(前年度当初比10・1%減)、河川維持修繕費が30億6925万円(同3・4%増)、河川工作物関連応急対策事業費が4億0484万円(同43・3%増)、堰堤(えんてい)維持費が6億1311万円(同2・6%増)。
このほかの事業予算では、都市水環境整備事業費(総合水系環境整備事業費)が2億0370万円(同10・9%減)、受託工事費の河川が6億6700万円(同137・0%増)、受託工事費のダムが4015万円(同15・6%減)、都市公園事業費の国営公園整備が3億8155万円(同15・9%減)、都市公園事業費の国営公園維持管理費が10億0905万円(同4・1%増)となっている。
主要事業計画は次の通り。
<河川改修事業>
◇木曽川
▽拾町野地区・稲沢市祖父江地先で洪水を安全に流下させるために低水護岸整備を実施▽坂祝地区・坂祝町酒倉の加茂川排水機場で内水被害軽減のためのポンプ設備増設を継続して実施(16年度完成予定)
◇長良川
▽幡長地区・海津市平田町幡長地先で洪水を安全に流下させるための河道掘削や低水護岸整備を継続して実施▽犀川遊水地・瑞穂市祖父江地先で犀川遊水地事業の一環として天王川放水路の整備を継続して実施
◇揖斐川
▽高柳地区・養老町大巻地先で洪水を安全に流下させるための築堤護岸整備を実施
◇牧田川
▽直江地区・養老町烏江地先で洪水を安全に流下させるための河道掘削を実施
◇杭瀬川
▽綾里地区・大垣市静里町地先などで頻発する浸水被害の解消を目指し堤防整備を継続して実施
(塩田橋下流までを16年度完成予定)
<環境整備事業>
▽木曽川中流部で天然記念物イタセンパラの生息環境の保全のためワンドの環境整備を引き続き実施する(愛知県一宮市、羽島市)▽揖斐川支川杭瀬川で緩流域に生息する生物の保全のため、湧水の保全や緩流域環境の整備を引き続き実施(大垣市、養老町)▽長良川忠節地区で砂礫(されき)河原固有のカワラハハコやカワラヨモギが減少しており、これらの生息環境を保全する。また鵜飼の行われる場所であり、昔の砂礫河原の風景を目指す(岐阜市)▽木曽川右岸笠松町のトンボ天国や木曽川中流部のワンド群、杭瀬川緩流域の整備箇所、揖斐川中流部でモニタリング調査を実施
<河川管理>
▽河川巡視や施設点検、維持修繕▽堤防除草工事▽堤防機能を守る維持工事▽河道内に繁茂した樹木の伐採▽排水機場の機械設備の機能維持のための維持修繕工事▽洪水時の河川巡視−など
<国営公園整備事業>
▽フラワーパーク江南でU期エリアの基盤整備と園路広場整備▽かさだ広場・各務原アウトドアフィールドで遊歩道とサイクリングロードの整備▽河川環境楽園で老朽化した修景施設などを修繕▽138タワーパークで老朽化した遊具施設修繕▽桜堤サブセンター・木曽長良背割堤(仮称)で堤内地の整備に向けた用地取得
提供:
建通新聞社