三重県県土整備部は、道路施設の老朽化対策を推進するため、2016年度に橋梁やトンネル、横断歩道橋で計39カ所を対象に修繕工事を行う。14年度からの定期点検で「区分V」に該当する箇所を対象に5カ年で修繕を進めるもので、16年度予算には10億8087万円を計上し、修繕工事、次年度に向けての設計などを行う。老朽化対策を進めるに当たって、県では、14年度の点検実施状況や結果を公表し「維持管理の見える化」を実施し、老朽化対策への理解を深めてもらうよう努めている。
県は道路法改正に伴い制度化された5年に一度の道路施設の点検で、14年度に橋梁721橋(管理施設数4216橋)、トンネル96本(同126本)、横断歩道橋101橋(同101橋)、シェッド14基(同20基)を実施した。点検結果は、区分T〜Wの4段階で表し、区分Wの「走行性・安全性に問題がある」の対象は0件、区分Vの「おおむね5年以内に一部の修繕が必要な変状を有する施設」の対象が、計165件あった。
この点検結果に基づき、15年度に橋梁11橋、トンネル6本、横断歩道橋11橋の修繕工事を発注した。引き続き、16年度に橋梁15橋、トンネル16本、横断歩道橋8橋の修繕工事を行う。主な施設では、橋梁で県道三行庄野線の庄野橋(延長256b、鈴鹿市)など、トンネルで国道166号の木梶トンネル(延長121b、松阪市)など、横断歩道橋で県道福島城南線の京町歩道橋(延長13b、桑名市)などを挙げており、今後、各建設事務所が16年度事業として箇所付け後に順次発注する計画。残りの箇所については、17年度から19年度に計画的に発注する考えだ。
県が公表した「維持管理の見える化」は、14年度に実施した4種類の施設(計932カ所)の点検結果について、施設の現況、建設年次、判定区分結果を市町別に一覧にした。点検箇所数が多い市町を見ると、津市が217カ所、伊賀市が82カ所、伊勢市が74カ所などとなっている。木曽岬町、朝日町は点検対象がなかった
市町別の各施設の点検数、区分Vの件数は次の通り。(@橋梁AトンネルB横断歩道橋CシェッドD合計 ※カッコ内は区分Vの件数)
▽桑名市―A2B8(5)D10(5)▽いなべ市―B2(1)D2(1)▽東員町―B1D1▽四日市市―@20(1)B22(4)D42(5)▽菰野町―@12A1B2C1D16▽川越町―@2D2▽鈴鹿市―@41(6)B9(6)D50(12)▽亀山市―@27(4)A1(1)B6(4)D34(9)
▽津市―@196(12)A5(1)B12(8)C4(1)D217(22)▽松阪市―@62(2)A6(6)B7(4)D75(12)▽多気町―@10A1(1)B1D12(1)▽明和町―B3(2)D3(2)▽大台町―@56(7)A5(3)C1D62(10)▽伊勢市―@53(2)A7(3)B14(9)D74(14)▽玉城町―@8A1(1)B2(2)D11(3)▽大紀町―@33(2)A6(5)D39(7)▽南伊勢町―@11A23(18)D34(18)▽度会町―@16A1D17▽鳥羽市―@18(2)B1D19(2)▽志摩市―@43(5)A4(1)B2(1)D49(7)
▽伊賀市―@74(3)A3(2)B5(3)D82(8)▽名張市―@1A3(2)B4(4)D8(6)▽尾鷲市―@12A10(5)C5(1)D27(6)▽紀北町―@18(5)A10(5)D28(10)▽熊野市―@4(1)A3(2)C3D10(3)▽御浜町―@2A3D5
▽紀宝町―@2(2)A1D3(2)
▽合計―@721(54)A96(56)B101(53)C14(2)D932(165)
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建通新聞社