日刊建設工業新聞
2016/04/15
【鳥取】県建協と県が会合 将来の担い手育成で意見交換
県建設業協会(藤原正会長)は13日、将来の担い手育成について県土整備部(山口真司部長)と議論し、まず会社利益の向上を優先させるため、最低制限価格や設計労務単価のさらなる引き上げが必要と訴えた。これに対し県は、利益の確保は応札によって対応すべきと説明。最低制限価格引き上げの議論と切り離して考える姿勢を示し、話し合いは物別れに終わった。
県は建設工事の最低制限価格を4月から予定価格の92%程度に引き上げている。県建協の藤原会長らは、受注した段階から約10%カットされており、諸経費についてはいまだ80%にとどまっていると指摘。担い手の育成に必要な利潤、法定福利費を確保するためにも諸経費を最低90%に引き上げるよう再検討を求めた。
最低制限価格について、県は契約の内容を最低限履行するために設定したラインと定義。担い手育成に必要な経費や利潤は、基本的に適正な予定価格の設定や各社の応札によって対応すべきとの考えを示した。その上で、今回引き上げた最低制限価格は、工事原価を設計額の100%(従来約98・8%)、一般管理費は約44・1%(同約36・8%)程度と説明した。
県建協は「担い手3法」を引き合いに、工事品質を最低限確保するといった従来の最低制限価格から、さらに企業の利益を確保する考えに変化してきていると主張。「県もとらえ方を変えてもらいたい」と注文した。
山口部長は「どのようにしたら経営が成り立ち、建設業を継続させていくことができるのか、次のステップに行かないといけない」と強調。引き続き経営状況を分析し、改善に向けて協力を求めた。