滋賀県企業庁は、28〜32年度の5ヵ年を計画期間とする経営計画を策定、施設整備計画では水道用水供給事業に180億4500万円、彦根工業用水道事業に4億4400万円、南部工業用水道事業に40億2800万円をそれぞれ投資し、吉川浄水場耐震対策をはじめ管路の更新や施設設備の更新、改良を推進する。
策定した経営計画は、企業庁水道ビジョン(23〜32年度)の下半期にあわせた計画で、企業庁アセットマネジメント計画(28〜67年度)のスタートとなる5ヵ年計画。28〜32年度の具体的な実施計画や収支計画を示した。
施設整備計画のうち、吉川浄水場耐震対策では、当初、日量8万1000m3の規模を計画していたが、耐震診断の結果、想定以上の被害により対策費が多額になる見込みとなったことから、費用低減のため、馬渕、水口浄水場との連絡管による水運用により必要最低限の給水量とする対策とし、規模を日量3万m3に縮小、32年度に整備を完了させる。
浄水場耐震対策では、甚大な被害が想定される吉川浄水場の耐震対策を最優先し、次いで馬渕浄水場耐震対策の設計を32年度に予定している。
また、アセットマネジメント計画に基づいた既設管路の耐震管への更新事業を新規に開始し、バックアップ体制や危機管理体制の強化へ向けた自家発電設備更新など水道施設の計画的更新、施設および設備の適切な維持管理による延命化、粉末活性炭を注入する脱臭処理施設を未設置の浄水場に設置などを重点に取り組む。
投資計画(建設改良費)によると、水道用水供給事業は、▽28年度=15億9100万円▽29年度=44億7300万円▽30年度=41億8800万円▽31年度=42億2900万円▽32年度=35億6400万円−計180億4500万円を5ヵ年で投資する。
主な整備事業は、▽施設設備更新=吉川浄水場急速・緩速攪拌機、同CVCF設備等、馬渕浄水場機械脱水機設備、同中央監視制御設備、水口浄水場機械脱水機設備、同送水ポンプ電動機▽浄水場耐震対策=吉川浄水場(導水ポンプ井、沈殿池、ろ過池、塩素混和池、浄水池、送水ポンプ)▽施設改良=吉川浄水場追加塩素注入設備、馬渕浄水場追加塩素注入設備、水口浄水場脱臭処理施設▽管路更新=日野ライン、竜王ライン、蒲生日野ライン、水口送水幹線(嶬峨の一部)。
彦根工業用水道事業では、▽28年度=8800万円▽29年度=2800万円▽30年度=7000万円▽31年度=2億0600万円▽32年度=5200万円−計4億4400万円。
主な整備事業は、▽設備更新=彦根浄水場受変電設備、同送水流量計等、高宮加圧ポンプ場無停電電源装置等▽管路更新=低区Jライン、低区Kライン。
南部工業用水道事業では、▽28年度=1億9200万円▽29年度=1億5100万円▽30年度=8億0100万円▽31年度=16億7200万円▽32年度=12億1200万円−計40億2800万円。
主な整備事業は、▽設備更新=吉川浄水場急速・緩速攪拌機、同CVCF設備等、菩提寺加圧ポンプ場自家発電設備、同コントローラ盤等、朝国共同施設送水ポンプ電動機▽浄水場耐震対策=吉川浄水場(送水ポンプ)▽管路更新=湖南団地ライン、水口ABライン。
施設整備計画(28〜32年度)のうち、28年度事業は次の通り。
【水道用水供給事業】
▽脱臭処理設備=朝国導水ポンプ場活性炭注入設備
▽沈殿池設備=馬渕浄水場1系緩速撹拌機
▽送水設備=馬渕浄水場送水ポンプ棟補機類、水口浄水場西棟送水ポンプ電動機
▽薬品注入設備=吉川浄水場次亜塩注入設備
▽排水処理設備=吉川浄水場洗浄排水移送ポンプ
▽蓄電池電源設備=水口浄水場蓄電池
▽電気設備=水口浄水場ポンプ電気設備
▽計装設備=吉川浄水場ろ過池濁度計、馬渕浄水場水質計器、水口浄水場水質計器、水位計
▽分水調整池設備=吉川浄水場分水流量計(宮の森、田中山)、吉川浄水場山脇調整池水質計器、馬渕浄水場分水流量計(五個荘、能登川)
▽ポンプ場=日野第2加圧ポンプ場電気設備
▽管路施設=西部幹線整備送水管工事(下流工区)、八幡安土バイパス舗装復旧工事、朝国ライン送水管工事、舗装工事、日野ライン(下流)更新、水口送水幹線(嶬峨部分)更新、吉川浄水場管路弁室改良工事、管路更新測量調査(日野)、管路更新概略設計(竜王)
▽建築・付帯設備=水口浄水場空調設備改修
▽調査・設計費=吉川浄水場耐震対策DB発注支援業務、吉川浄水場事業認可等作成業務、湖南市施設移管調査業務、吉川浄水場管路弁室改良設計業務、吉川浄水場沈殿池設備更新設計業務、吉川浄水場流量調節弁更新設計業務、馬渕浄水場排水処理設備設計業務、馬渕浄水場中央監視制御設備設計業務、吉川浄水場次亜塩注入設備更新設計、馬渕浄水場送水ポンプ棟補機更新設計業務、朝国導水ポンプ場活性炭注入建築工事監理
▽更新外(改良・増設)=管路追加塩素注入設備新設(吉川、馬渕)、吉川浄水場南津田導水ポンプ場耐震補強工事
【彦根工業用水道事業】
▽送水設備=送水配水弁
▽計装設備=送水流量計
▽中継ポンプ場=無停電電源装置
▽管路施設=管路更新(低区Iライン一部)
【南部工業用水道事業】
▽薬品注入設備=次亜塩注入設備
▽排水処理設備=洗浄排水ポンプ
▽加圧・朝国ポンプ場=菩提寺コントローラ盤、菩提寺加圧送水流量調節弁
▽管路施設=管路更新測量(湖南団地ライン)、甲西幹線送水管工事、舗装工事、滋賀竜王工業団地送水管、管路弁室改良工事
▽調査・設計費=弁室改良設計、次亜塩注入設備更新設計、浄水場耐震対策DB発注支援業務、浄水場耐震基本設計業務