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日本工業経済新聞社(茨城)
2016/04/05

【茨城】県公共施設等総合管理計画を検討

 3月29日に県庁で「県公共施設等総合管理計画」の推進に係る有識者会議(委員長・兪和茨城大学教授)が開かれ、県が示した基本方針に対する取り組み状況や今後のスケジュール、課題などに対し委員がアドバイスや意見を述べた。県は本年度から、個別施設計画の策定に向けた取り組みを実施。20年度までに計画を策定し、修繕などに着手する。
 2013年度末時点で、県は建築系施設で総延床面積約378万4000u、インフラ施設で道路4176q、橋梁2295橋、上水道(工業用水含む、管渠)1380・9q、下水道(管渠)359・6qなどを保有している。
 これらは高度成長期などに建設が集中したため、更新時期が一斉に到来する。また今後、人口減少・少子高齢化が進展するほか、施設の更新などに費用を要することから、限られた財源で行政サービスを持続的に提供するためには計画的な施設の維持・更新などが必要となる。そこで県は保有する全施設を対象に、現状および将来の見通しを把握し、総合的かつ計画的な管理に関する基本的な方針を定める「県公共施設等総合管理計画」を15年3月に策定した。計画期間は15〜34年までの20年間。
 管理計画には、3つの基本方針(@長寿命化の推進A資産総量の適正化B資産の有効活用の推進)を明示した。今後、個別施設計画(施設類型ごとのメンテナンスの実施計画)を策定するとともに、個別施設計画の状況に合わせて総合管理計画を順次見直し、内容を充実させていく。
 有識者会議では、総合管理計画に基づいた取り組み状況を明示したほか、16年度および今後のスケジュールを確認するとともに、課題と論点を整理。
 15年度の取り組み状況を見てみると、全庁的な組織体制の整備として「公共施設等総合管理計画推進委員会」(委員長=総務部長)を設置したほか、職員向けの研修会や県および市町村の担当職員を対象とした公共施設マネジメント講演会を開催した。
 基本方針@長寿命化の推進では、15年度に公共施設長寿命化等推進基金を設置し、20億円を積み立てた。16年度は新規で庁舎系施設の長寿命化推進事業に着手。原則、延床面積500u以上の建物の点検・診断を19年度までの4カ年で実施する。また個別施設計画策定までの当面の措置として、1件250万円以内の緊急的な修繕などを行う出先機関維持修繕事業を拡充する。
 A資産総量の適正化は、中長期的な視点により、人口動態や社会情勢などによる個々の施設の需要見込みなどを踏まえ、縮小できる施設や必要がなくなった施設については統合・廃止などを行い、施設の適正な規模・機能を検討するもの。
 16年度以降は、施設アセスメントによる利活用の評価を行い、将来の施設のあり方を検討、資産総量を適正化する。
 B資産の有効活用の推進では、15年度に電力調達方法を見直し、県庁舎LED導入で電気使用量を削減。16年度以降は施設間比較で維持管理コストを削減する。
 また歳入の確保へ、県庁舎エレベーターをはじめとする広告ポスター掲出箇所を拡充するほか、新規で広告付き玄関マットの設置、公用車への広告フィルム掲載を行う。
 昨年度に導入ガイドラインを策定したネーミングライツについては、特定施設型は各施設の所管課で導入を検討し、募集。事業者提案型は募集を開始する。
 情報の一括管理では、昨年度に県有ハコモノ施設の施設情報カルテを一部整備。16年度以降は、引き続き施設の利用状況や決算情報、点検・診断の結果などを調査・収集することで、各施設の状況を把握し、各取り組みに活用していく。