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日本工業経済新聞社(茨城)
2016/03/30

【茨城】県土木部が調査基準価格引き上げ

 県土木部は、国の動きに合わせて低入札価格調査基準価格および最低制限価格の設定方法を改定。工事では、現場管理費の算定率をこれまでの「0・8」から「0・9」へ引き上げる。今回の見直しにより予定価格に対する割合は、現在の87%前後から上限の90%近くまで引き上がる見通し。委託業務では諸経費や一般管理費等の算定率を引き上げる。いずれも本年4月1日以降に入札公告または指名通知を行う案件から適用する。
 県では、公共工事におけるダンピング受注による工事品質の低下、下請業者へのしわ寄せ防止の徹底を図るため、中央公契連モデルの改定を受け、低入札価格調査基準価格と最低制限価格の設定方法を改定。工事における現場管理費の算定率をこれまでの「0・8」から「0・9」へ引き上げる。
 このほか積算体系上、共通仮設費に計上されていた「交通誘導員」等が直接工事費に計上されることとなったため、関係する様式を変更。数値的判断基準について、機械設備、電気設備工事は直接工事費の65%未満で失格としていたものを、ほかの一般的な工事の割合と同率(直接工事費の約75%未満)とした。
 委託業務では、ダンピング競争の防止、業務成果の品質確保を図るため、一般管理費等の算定率を引き上げる。土木関係建設コンサルタント業務および補償関係コンサルタント業務は、一般管理費等率の算定率を「0・30」から「0・45」に変更。測量業務は諸経費の算定率を「0・40」から「0・45」に引き上げる。地質調査業務は、解析等調査業務費の算定率を「0・75」から「0・80」に、諸経費の算定率を「0・40」から「0・45」に見直す。
 今回の引き上げにより、予定価格に対する割合は土木関係建設コンサルタント業務および補償関係コンサルタント業務で約5%、測量業務と地質調査業務では約2%引き上げられる見通し。
 なお、工事、建設コンサル業務等委託のいずれも低入札価格調査基準価格および最低制限価格の対象金額などに変更はない。また、従来どおり工事は予定価格の70〜90%、委託業務は60〜80%(地質調査は約66%〜85%)の範囲内で設定する。