(一社)千葉県建設業協会の鈴木雅博会長をはじめ、副会長の阿部典義氏、式田秀穂氏、橋順一氏、畔蒜毅氏、石井良典氏、小宮山房信氏ら三役一行は7日、県庁あいさつ回りを行い、今月1日に就任した野田勝・県土整備部長らを表敬訪問した。県土整備部会議室には野田部長をはじめ、伊藤稔・都市整備局長、吉田伸行・災害・建設業担当部長(新任)、行方寛次長、百瀬登展次長、鈴木勝次長(新任)、龍崎和寛次長(新任)、清水生也建設・不動産業課長(新任)が参集。野田部長を迎え新体制となった県土整備部の幹部陣に対し、強いリーダーシップを求める協会三役との初顔合わせが実現した。
◇新体制に期待込めて
あいさつ後に行われた幹部同士の懇談では、鈴木会長の「前倒し発注という政府の方針が報道されていたが」との問いかけに対して、野田県土整備部長は「今まさに『千葉県はどうするんだ』という議論をしなければいけないところ」と返答。さらに「景気対策として政府全体では新聞報道の通りだが、新聞に出ていることを、必ずしもそのまま信用して良いのかは微妙である」と言葉を選び「断言はしにくいが、話によっては下半期に補正ということもあるらしい」と続けた。
これを受けて鈴木会長は、「(補正予算など)それらに対応するには、技術者の確保などがまた大変になる」と指摘。「書類の簡素化や専任技術者の常駐の緩和など色々な面において是非、ご検討頂きたい」と述べるとともに「県内市町村では補正の残りの工事が、ここに来てバタバタと出ている。その辺の(平準化発注への)ご配慮もお願いしたい」と重ねて要望した。
◇「中長期的に成り立つ」との考え方
先月まで、国交省中国地方整備局で企画部長を務めていた野田県土整備部長は「まだ、千葉県としての話を出来るほどの知識はないが」と前置きしたうえで、「全体としては平準化への取り組みや、品確法の改正などによる担い手確保の取り組み、また国交省では労務単価や、積算の積み上げ方法を変えようとしたり、色々な取り組みはさせて頂いている」と説明。「根底には『各地域の建設業のみなさんが、しっかりと中長期的に成り立つように』という考え方がある」とし「県もそういった国の大方針に従いながら、一方では県独自の色々な事情も加味し、それらに十分に配慮したい」と言明。これに対して鈴木会長は「他県に比べて(様々な面で)千葉県が出遅れないようにお願いしたい」と改めて要望した。
◇広島での豪雨土砂災害を教訓に
一方、中国地方整備局に赴任していた14年8月に、豪雨による広島の土砂災害を経験したことに言及した野田県土整備部長は、「実際に災害などが発生した時に頼りになるのは『各地域の建設業のみなさん』である。広島に限らず、千葉においても災害はいつ何時起こるかはわからない。その時にちゃんと建設業のみなさんがそれぞれの地域にいて、普段から仕事をしていて、関わりがあるという環境づくりが必要だと思う」との見解を示し、会談を終えた