鹿児島建設新聞
2016/04/13
【鹿児島】東九州新幹線調査結果 整備費用は2・6兆円
東九州新幹線調査結果が明らかとなった。経済波及効果は6兆2100億円を推計。所要時間は、鹿児島から宮崎間が29分、大分までを77分と想定。整備費用に2兆6730億円、そのうち、本県内では4210億円を見込んでいる。
ルートは、全国新幹線鉄道整備法に基づく基本計画の一路線。1973年の運輸省告示により「福岡市を起点、大分市付近、宮崎市付近を経由し、鹿児島市を終点」とすることが示された。
設定ルートで主要区間の距離を求め、表定速度の平均約210q/hで所要時間を推計。鹿児島から宮崎間は100分、大分までは241分短縮される。
整備費用は、設定ルート通過区間の標高データ等をもとに、想定される高架橋やトンネルといった施設の構造種別と数量を推計。県内の内訳は、路盤330億円、橋梁400億円、高架橋1520億円、トンネル1170億円、軌道・電気等790億円。現行の財源スキームは、国が3分の2、残りが地方負担。
防災等への効果は、既設の九州新幹線(博多〜鹿児島中央)とあわせて、ループ状に接続された新幹線ネットワークが完成。周遊する観光等に対して有効であると同時に、例えば、南海トラフ地震の発生などで被災した場合に代替ルートを通じて往来することが可能となる。
同様に西九州エリアが被災した場合は、東九州新幹線が九州地域内の移動を補完することが期待できる。
調査結果をまとめたのは、東九州新幹線鉄道建設促進期成会。調査は野村総合研究所が担当した。