四国地方整備局は1日、2016年度の国土交通省予算配分決定を受け、所管事業計画を明らかにした。高知県には直轄451億円、補助・交付金597億円の計1048億円が配分された。直轄の新規事業では、高知港海岸湾口・浦戸湾地区直轄海岸保全施設整備事業、いわゆる「浦戸湾の三重防護」関連に2億1000万円が配分された。このほか、直轄事業では四万十川直轄河川改修事業(初崎地区)、大渡ダム堰堤改良事業、土佐市の国道56号蓮池交差点改良、補助事業では須崎市の市道河原中ノ島線にある中ノ島大橋の大規模修繕に新規着手する。
浦戸湾の三重防護による地震・津波対策は、@高知新港の防波堤整備と粘り強い化A浦戸湾外縁部と湾口部の防波堤や防潮堤整備B浦戸湾内部護岸などで改良や補強−の三重で津波からの防護を重層的に行う事業。このうち高知港海岸の湾口地区と浦戸湾地区で、地震による堤防などの耐震化やかさ上げを行い、地盤沈下や倒壊を防ぐ事業に新規着手する。16年度は測量などを進める予定。
四万十川の初崎箇所は、河口部に位置。堤防が未整備であり治水安全度の向上と浸水被害の軽減を図るため築堤事業を進める。16年度は事業費9500万円で用地補償を実施する。
大渡ダムでは、14年8月の台風による豪雨により、仁淀川町の森山地区と大尾地区で、一時的に堰堤に大きな変動が見られたため、地すべり対策を進め貯水池を安定させる。16年度は事業費6000万円で測量設計を実施する。
土佐市の国道56号蓮池交差点では、須崎市方面への直進車線が1車線しかなく、急な割り込みなどによる事故が発生していることから、現状の車線数を見直し、交差点部の4車線化を進める。16年度は事業費900万円で調査設計を実施する。
須崎市の中ノ島大橋では、橋梁点検・診断の結果、主桁・床版コンクリートにひび割れ、腐食、鉄筋露出などが多数確認された。そのため修繕と合わせて耐震補強を進める。概要は橋長138b、全幅5・2b、1982年架設。16年度は事業費2000万円で調査設計を実施する。
提供:建通新聞社