金沢市は、JR金沢駅西口に国際的な(インターナショナル)ブランドホテルを誘致する計画で、今月下旬をめどに開発事業者の選定に係る公募型プロポーザルを公告する方向で調整を進めている。提案形態に関しては特別な条件を設けず、ゼネコンや特定目的会社(SPC)、ホテル事業者、デベロッパー、信託といった投資形態など幅広く求める構えだ。
誘致先は市所有地の「広岡1丁目用地」。敷地面積7425平方メートルで、現在は金沢駅西暫定駐車場として利用されている。市では、同用地を活用してインターナショナルブランドホテル事業の実施を希望する民間事業者から企画提案を募り、応募に際してはホテルに加え、都市のステータスを高める新たな賑わい創出に資する機能(緑地や駐車場など)を提案することも可能としている。
事業予定者の決定方法については、ホテル事業や金沢のまちづくりに詳しい有識者等で構成する審査委員会を設け、ホテルブランドや運営計画などを審査し、金沢にふさわしい最も優れた提案を選定。審査結果に基づき、市が優先交渉権者を決定する。プロポにより優先交渉権者に決まった民間事業者は、市有地を取得して提案内容に基づき事業を進める。
事業スケジュールによると、今夏にはホテル事業の優先交渉権者を決定し、市議会9月定例月議会での議決を経て正式契約を結ぶ。一方、事業者
側は今秋から基本・実施設計業務に取り掛かり、17年夏以降、建設工事に着手。19年秋頃に完成させ、同年度中のホテル開業を目指す。
市が事前に行った意向調査によると、デベロッパーやホテルなど5者以上が関心を示し、具体的な提案も受けたという。
北陸新幹線開業を機に外国人観光客が増加するなか、市は国際的な高級ブランドホテルを誘致して都市のステータスを高めるとともに、これまでにない海外からの富裕層の来訪を促し、新たなまちの魅力向上につなげたい考え。
また、市は構想当初においては、「外資系ホテル」を誘致の対象としていたが、国内資本の世界的に知名度がある高級ブランドホテルに対象を広げ、「国際的な(インターナショナル)ブランドホテル」というニュアンスに変更した。
なお、16年度当初予算には交流拠点都市推進費として総額22億4851万9000円を計上。公募型プロポの実施経費ほか、ホテル整備用地の再取得費などに充てる。