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日刊建設工業新聞
2016/04/07

【鳥取】県が16年度国交省関係予算を分析 社整総合交付金に暗雲

 2016年度国交省関係予算の配分を受け、県土整備部は6日、県内直轄・補助・各交付金事業の概要をまとめた。直轄事業は339億円で対前年度1・16倍となり、山陰道・鳥取西道路の鳥取西IC(インターチェンジ)−青谷IC間全線の17年度一体供用に大きく前進した。反面、身の周りの公共事業となる社会資本整備総合交付金は8%減となり、予定していた道路改良の進展に黄信号がともった。
 直轄道路事業は前年度比1・19倍の300億円。うち鳥取西道路は同1・25倍の233億円が配分され、吉岡温泉IC−青谷IC間の17年度供用に必要な予算を確保したとともに、鳥取西IC−吉岡温泉IC間を含めた全線一体供用に近づいた。
 また、鳥取自動車道など県内2カ所の付加追い越し車線に前年比1・18倍の42億円が配分された。
 直轄河川・海岸・砂防事業は、斐伊川、法勝寺川、千代川、皆生海岸、大山山系砂防に29億円が配分。15年度補正(経済対策)4億円と合わせた総額33億円は前年度並み。
 直轄港湾事業は、境港ふ頭再編改良事業(竹内南地区貨客船ターミナル)に3億7000万円。調査に次いで地盤改良に現地着工する。中野地区国際物流ターミナルは残事業に2億円を投入して整備を完成させる。
 県が事業主体の補助事業は、国道178号岩美道路など3路線に25億円。15年度補正を加えると42億円となり、実質前年度比1・12倍になった。
 大方を県内業者が「受け皿」となる各交付金事業では、国費ベースで196億2500万円の配分。前年度比2%増は全国平均の伸び率1・0を上回った。ただ「総額を確保したものの、中身は防災へのシフトが一層進んだ」(道路企画課)。
 主となる社会資本整備総合交付金は50億5700万円で8%減。防災・安全交付金は137億7100万円で6%増と明暗を分けた。社会資本交付金が減らされた大半は道路関係事業。
 防災交付金を活用する国道482号・舂米バイパスのトンネル、国道183号・河上工区などは要求通り整備に目途が立った一方で、社会資本交付金の県道鳥取鹿野倉吉線・片柴バイパス、国道181号・岸本バイパスなどや市町村道の改良系事業を中心に進ちょくに遅れが生じそうだ。
 社会資本交付金でもICへのアクセス関連や、防災交付金の交通安全対策、大型構造物点検は要望額通り。
 各交付金事業について同部は、道路・河川・砂防・漁港などの県事業、市町村事業の張り付け作業に入っており、近く各事務所や市町村に予算配分する。