浜松市は、公共下水道西遠処理区の運営を民間事業者に委ねる民間資金等活用事業(PFI)の新手法「コンセッション方式」導入に向け、事業者の選定基準や募集要項について協議を進めている。4月下旬に選定基準や募集要項などを公表し、同時に事業者の募集を開始する方針だ。
3月下旬に行ったPFI専門委員会で、選定基準と募集要項を決める予定だったが、設備更新費や維持管理費などライフサイクルコストに関する評価方法などの詳細が定まらなかったため、最終決定を持ち越した。
市は県から移管を受けた西遠流域下水道事業の運営について、コンセッション方式の導入に向けた実施方針を2月下旬に公開。公募型プロポーザル方式による事業者選定を大筋とし、募集条件や提案書に対する審査基準を固め、事業者を募集。環境や地元経済への貢献などを考慮した選定を進め、2017年2月に優先交渉権者を決める予定でいる。事業者は特別目的会社(SPC)を設立し、運営に当たる。
コンセッション方式の事業範囲は、施設の維持管理や機械・電気設備の更新、下水道の利用料金収受のほか、関連施設内にある未利用地の環境に配慮した活用など。民間事業者の創意工夫や技術などを取り入れ、運営の効率化を図る。
対象施設は西遠浄化センター(南区松島町)=写真=のほか、浜名中継ポンプ場(南区小沢渡町)、阿蔵中継ポンプ場(天竜区二俣町阿蔵)の3施設。県から移管後、16・17年度は従来型の業務委託で運営し、18年4月から民間主体の運営を始める。契約期間は18〜37年度までの20カ年。市は、設備更新に必要な工事費の10分の9程度を負担するとともに、延長約50`の管渠の維持管理などを担う。
提供:建通新聞社
(2016/4/6)
建通新聞社 静岡支社