東京都都市整備局は、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会後の選手村のまちづくりに関する整備計画を策定した。選手の宿泊施設として一時使用する住宅棟や基盤施設などについては、都が個人施行による市街地再開発事業に4月に着手。5月に住宅棟などの建設を委ねる特定建築者の公募手続きを開始して7月に特定、17年1月に建築工事に着手する。大会時に必要な部分については19年12月をめどに先行して完成させ、大会後に宿泊棟の改修や高層棟の新築工事を実施するなどして約5650戸の住宅を整備し、24年度に全ての事業を完了させる。
選手村は中央区晴海5丁目の敷地13・4fに建設する。地区内を大きく五つの街区に分け、1街区当たり1〜7棟の合計25棟(延床面積約68万平方b)の建物を建設する。このうち22棟を先行して19年度までに完成させてオリンピック・パラリンピックの宿泊施設を用意。大会後の20〜23年度に残る3棟(超高層タワー2棟と商業棟)を建設するとともに、先行22棟を住宅供給に向けて改修する計画だ。
事業協力者(三井不動産レジデンシャルを代表とする「2020晴海スマートシティグループ」)とともに取りまとめた大会後の整備計画では、街区内から水辺への視線・動線を確保し、住宅街区と周辺の緑地・広場との一体感に配慮したまちなみを形成する方針を打ち出した。
住宅は板状棟は14〜18階建て、高層棟は50階建てとし、分譲と賃貸で約5650戸を配置。サービス付き高齢者向け住宅やシェアハウス、外国人向けのサービスアパートメントなどライフスタイルの変化やさまざまなニーズに対応できる住戸バリエーションを確保する。併せて商業施設やクリニックモール、保育所を設ける。
都が先行実施する基盤整備では、道路や盛り土、水道、下水道などを施工するとともに水素パイプラインを敷設。分譲棟各住戸への家庭用燃料電池の設置や、水素ステーションの整備、次世代型燃料電池の商業棟と住宅共用部への設置に備える。
また、交通計画として、BRT(バス高速輸送システム)の発着ターミナルやカーシェア・シェアサイクルの共通ポートを設置し、船着き場も整備する。
提供・建通新聞社