県水道局は、2016〜20年度の5か年を計画期間とする「千葉県営水道事業中期経営計画」をまとめた。16年度から30年間の「千葉県営水道事業長期施設整備方針」の冒頭5年間の具体的な取り組みを示したもので、水道施設の更新・整備に2061億円、維持管理に394億円など、5か年で総額2627億円の事業費を投入。ちば野菊の里浄水場(第2期)整備や大口径管路更新工事(一拡栗山〜船高線)など施設設備の更新・整備、浄・給水場及び管路の耐震化などを実施する。
同局では、16〜30年度の30年間を計画期間とする「千葉県営水道事業長期施設整備方針」を策定(1日付1面参照)。具体的な事業は中期経営計画で位置付け、実施することとした。中期経営計画では、この最初の5か年の取り組みを示した。
計画は、@「強靭」な水道の構築A「安全」な水の供給Bお客様からの「信頼」の確保――の3つを基本目標に掲げ、安定給水の確保、耐震化の推進など7つの主要施策と、水源の安定化、浄・給水場施設の更新・整備など22の主な取り組みに体系化。「強靭」な水道の構築では、浄・給水施設の更新・整備、耐震化の推進のほか、省エネルギー化の推進や県内水道の統合・広域化に向けた検討を進める。
主要施策では成果目標を設定。浄・給水場の耐震化率を現状(14年度)の94・6%(うちポンプ棟79・8%)から99・1%(同98・3%)に、湾岸埋立地域での耐震化率を30・3%から51・5%に、管路の耐震化率(耐震適合管含む)を17・5%から23・8%にそれぞれ引き上げる。
一方、財政収支見通しは、施設整備等の資本的支出に2821億円を見込み、このうち計画事業費に2137億円を予定。水道施設の更新・整備費用に2061億円、維持管理費用に394億円の合計2455億円を見込み、新料金システム開発等、その他費用に172億円を合わせ5か年で総額2627億円を予定する。
事業費の年度別内訳は▽16年度524億円(更新・整備費375億円、維持管理費90億円、その他58億円)▽17年度495億円(更新・整備費378億円、維持管理費77億円、その他40億円)▽18年度556億円(更新・整備費455億円、維持管理費73億円、その他28億円)▽19年度546億円(更新・整備費444億円、維持管理費77億円、その他26億円)▽20年度507億円(更新・整備費410億円、維持管理費77億円、その他20億円)。
主な施策の内容は次の通り。
【安定給水の確保】
▽浄・給水場施設の更新・整備=@栗山浄水場の老朽化対策に係る、ちば野菊の里浄水場(第2期)施設整備事業A福増浄水場浄水処理改善事業B柏井浄水場東側施設浄水処理改善事業
▽浄・給水場設備の更新・整備=@幕張給水場遠隔監視制御設備の更新A沼南給水場電気設備の更新B柏井浄水場(西側施設)塩素注入設備の更新C北船橋給水場自家用発電設備の整備
▽管路の更新・整備=@鋳鉄管更新工事(小中口径管)A大口径管路更新工事(一拡栗山〜船高線)B基幹管路の整備(第二北総〜成田線)、公共関連等配水管整備工事、配水管理テレメータ整備事業
【耐震化の推進】
▽浄・給水場施設の耐震化=@印旛取水場〜柏井浄水場間の調圧水槽の耐震化A誉田給水場配水池の耐震化B成田給水場管理ポンプ棟の耐震化▽湾岸埋立地における管路の耐震化=@鋳鉄管更新工事A公共関連等配水管整備工事▽鋳鉄管更新工事(小中口径管)に伴う管路の耐震化=@鋳鉄管更新工事A公共関連等配水管整備工事▽大口径管路更新工事に伴う管路の耐震化=大口径管路更新工事▽基幹管路の整備に伴う管路の耐震化=基幹管路の整備(第二北総〜成田線)