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日刊建設タイムズ社
2016/04/01

【千葉】公立高校初の人工芝生化/市立習志野高で完成セレモニー

 市立習志野高等学校(赤松茂顕校長)の「グラウンド人工芝生化新設工事完成記念セレモニー」が3月30日、同校のグラウンドで盛大に開かれ、来賓として宮本泰介市長をはじめ、富田茂之・衆議院議員、施工を担当した本田土木工業鰍フ山貴子社長ら大勢が出席。使用した人工芝はオランダ製のロングパイルで、施工面積は1万440u。国際サッカー連盟(FIFA)や日本サッカー協会(JFA)などが公認する世界基準の品質。セレモニーでは、同校吹奏楽部(部員210人)の記念演奏のほか、体操部(同33人)の演技披露、サッカー部(同150人)の練習披露などが行われ、県内の公立高校で初めてのグラウンド人工芝生化に華を添えた。

  ◇本田土木工業が施工

  市立習志野高等学校が1975年3月に現在地に移転してから40年余。その間、多くの全国レベルの活躍で、同校と習志野市の知名度は「全国区」となった。習志野市が大切にする「人材の育成」を本務とする同校は、文武両道の実現を果たすため「雑草の如くたくましく、熱い教育活動」(赤松校長)に取り組んできた。その『武』に関わる健やかな身体を育むために活用されてきた体育施設として、多くの生徒が走り回ってきたグラウンドの人工芝生化。

  ◇レベル向上とジュニアのあこがれに

 セレモニーの冒頭、生徒らによる習志野市歌、習志野高等学校校歌の斉唱に引き続き、主催者として赤松校長があいさつ。部活動において、主に人工芝生グラウンドを使用するサッカー部が、これまでに全国サッカー選手権大会出場15回、うち優勝2回、全国高校総体(インター杯)出場17回、うち優勝1回などの実績を積み重ねてきたことに言及。「習志野市のシンボルとして、さらには『サッカー王国千葉』のシンボルとしての位置を確固たるものにしてきた」と述べたうえで、グラウンドの人工芝生化により「本校のサッカーのレベルがアップするとともに、本校でプレーしたいという各ジュニア世代の『あこがれのグラウンド』としての魅力が高まって来ることを大いに期待したい」と弁。

  ◇創立60周年に向けての節目

  一方で「強風時のグラウンドの砂塵の飛散は、近隣の方々の日常生活に多大な迷惑をかけてしまい、一日中グラウンドの水撒きをする光景は、決して珍しいことではなかった」と振り返る赤松校長は、グラウンドの人工芝生化が「2代前の校長時代からの懸案であり、設置者である習志野市にお願いを続けてきたと聞いている。その願いを受けて、市民の本校への格別な理解と支援とともに、地域のスポーツ活動の拠点支援を目的とする『地域スポーツ施設整備事業助成』の活用も受けて実現したもの」と説明。さらに「期待とあこがれの教育環境として、来年の学校創立60周年の節目の記念としても大変素晴らしいものになった」と述べ、あいさつを結んだ。

  ◇砂塵の飛散を解消、toto助成金で

 来賓による祝辞では、設置者でもある習志野市の宮本市長が、この人工芝生化新設工事の完成により「長年の懸案であったグラウンドの砂塵の問題が解消するとともに、サッカー部や陸上部をはじめ、課外活動の技術力の向上、さらに何よりも習志野高校生徒の体育の授業の充実が図られることを大変喜ばしく思う」と述べるとともに「芝生化する面積、工事の手法など、様々な側面からの検討を重ねてきたみなさんの想いが結実したものである」と、関係者に対して労いの言葉をかけた。加えて、今回の事業については「人工芝生化の予算1億5000万円のうち、施設整備助成金として、サッカーくじ(toto)の助成金を4800万円使用させて頂いた」と報告。

  ◇人々の支えに対し、常に感謝の気持ち

 さらに「何より心待ちにしていたのは高校生のみなさんだと思う」と生徒の気持ちを慮った宮本市長は、このグラウンドが「近隣のみなさんをはじめ、それぞれの習志野市民に使って頂くということも条件に付している」と説明。生徒に対しては「このような素晴らしいグラウンドを使用できることへの感謝、またはこれだけ多くの人たちに支えられているという感謝の気持ちをこの芝生から感じ取りながら、思い切りプレーをしてほしい。この新しい環境により、新しい歴史が生まれることを期待している」と力強く呼びかけ、あいさつとした。

  ◇滑走路と同じ精度、情報化施工を導入

  今回の工事で現場代理人を務めた本田土木工業鰍フ市川三喜男・取締役工事部長は、使用したオランダ製ロングパイルの施工法についての質問に対し「6pの芝丈があることから、芝を立てて、その中に砂(約1p)とゴムチップ(約3p)の層を作り、芝丈を天然芝と同程度の約2pとした」と回答。工事の際に特に留意した点は「平坦性」で、舗装に関しては3Dの測量機器を駆使。データをインプットして器械で全部飛ばし「グレーダーもコンピュータで自動的に管理する最新技術の情報化施工を採用して、空港の滑走路と同じ精度で仕上げた」という。さらに「弊社にとって人工芝生化の工事は初めてだったが、専門の協力会社と何度も協議しながら、何処に出しても引けを取らない成果品が出来たと自負している」と胸を張った。

  ◇少年サッカーやソフトボールも

 完成した同校の人工芝グラウンドでは、サッカー場の両サイドのゴール奥にフットサルのスペースが取れるほか、外周は400mトラック、内周は200mトラックとして使用。また、サッカー場を二分するかたちで少年用サッカーコート(2面)、同じくソフトボール場(2面)として利用が可能。それぞれ色分けしたラインがペイントされている。これまでも、主にサッカー部の練習が終了後した平日の午後6時から8時にかけて、使用を希望する市民サッカーチームなどにナイターでグラウンドを貸し出してきた。k_times_comをフォローしましょう
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