地方ブロックごとの国土づくり指針となる「四国圏広域地方計画」と、社会資本整備の具体的な内容を盛る「四国ブロックにおける社会資本整備重点計画」がそれぞれ国土交通大臣決定し、3月29日に高松サンポート合同庁舎内で石橋良啓四国地方整備局長から千葉昭四国圏広域地方計画協議会会長(四国経済連合会会長)に、同計画を手渡した(写真)。特に「四国の新幹線」について初めて計画で言及するなど、四国新幹線が検討課題として反映された。
広域地方計画は、昨年閣議決定され、「対流促進型国土」を目指すとした全国計画を踏まえたもの。新たな四国圏広域地方計画は、「圏域を越えた対流で世界へ発信〜『癒し』と『輝き』で未来へ」を基本方針に、今後10年間の地域づくりの目標や重点的、戦略的に取り組む施策を示した四国の将来ビジョン。社会資本整備重点計画は道路や河川などの社会資本整備(四国は11プロジェクト)について、2020年度までの取り組みの時間軸で可能な限り完成時期を明確化し、期待されるストック効果を記載した。
四国圏広域地方計画によると、四国ブロックの将来像として、基本方針に加え、▽南海トラフ地震への対応力強化等、安全で安心して暮らせる四国▽若者が増え、女性・高齢者等が生き生きと活躍する四国▽地域に根ざした産業が集積し、競争力を発揮する四国▽中山間地域・半島部・島しょ部等や都市間が補完しあい活力あふれる四国▽「歴史・文化、風土を活かした個性ある地域づくりを進め、人をひきつける四国」―の五つを目標に挙げた。これら目標の実現に向け、南海トラフ地震を始めとする大規模自然災害等への「支国」防災力向上プロジェクト(南海トラフ地震、風水害等の自然災害、インフラ老朽化)など、新たな五つの広域プロジェクトを計画に位置づけた。この計画に「鉄道の高速化等による広域交通ネットワークの整備や鉄道の抜本的高速化が長期的な検討課題」として、四国新幹線の検討を初めて計画に盛り込んだ。
一方、四国における社会資本整備重点計画は、南海トラフ地震等への対応力強化(安全安心インフラによる災害等のリスク低減)を含む四つの基本戦略と重点目標を実現するための11プロジェクトを進める。この中にも広域計画の基本戦略に対応し、「四国の鉄道高速化連絡会により、四国圏における将来的な新幹線整備に係る基礎調査が行われているなど、鉄道の抜本的高速化が長期的な検討課題」と明記。四国の新幹線についての検討を明確に位置づけた。
提供:建通新聞社