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建通新聞社(神奈川)
2016/04/01

【神奈川】神奈川県道路施設長寿命化計画策定 橋梁は50年で約1300億円縮減

 神奈川県県土整備局は道路施設全般を対象とした「神奈川県道路施設長寿命化計画」を策定した。予防保全型の維持管理により、今後50年間(2016〜65年度)で、橋梁は約1300億円、トンネル・洞門は約60億円の維持管理・更新費の縮減が期待されるとしている。
 県には、「神奈川県橋梁長寿命化計画」があるが、トンネルなど他の施設には、総合的な寿命化計画がない。今回策定した長寿命化計画では、橋梁を含めて県が管理する道路施設全般について、点検−診断−措置−記録のメンテナンスサイクル実行に向けて、マニュアルや、各施設における細かな維持・保全計画を示している。
 長寿命化計画の対象施設は、橋梁、トンネル・洞門、横断歩道橋、門型標識・門型道路情報提供装置。対象施設共通の考え方をまとめた基本事項編と施設毎の考え方をまとめた各施設編で構成する。
 県は、2015年4月1日現在、1206橋の橋梁を管理している。これらは、高度経済成長期(1950年代後半〜70年代前半)に集中的に建設されている。高齢化率は、橋梁数ベースで、15年4月現在で約34%だが、10年後に約64%、20年後に約78%と急増していくと見ている。
 今後、全ての橋梁について、「予防保全型」の維持管理を実施。計画的な維持補修により橋梁の平均寿命は50年から100年に延命されるとし、建設後100年を経過した橋梁は架け替えを行うことを基本とする。
 事後保全型の維持管理では、今後50年間に約2400億円の維持管理・更新費が必要だが、予防保全型では約1100億円に縮減されるとする。
 トンネルは82カ所、洞門は9カ所を管理中。トンネルは山岳工法、開削工法(ボックスカルバート)が多く、山岳工法は70年代までは主に矢板工法(在来工法)で施工されていたが、80年代以降はNATM工法へ移行している。高齢化率は、施設数ベースで、15年4月現在で約24%だが、10年後に約43%、20年後に約63%と急増していくと見ている。
 事後保全型の維持管理では、今後50年間に約200億円の維持管理・更新費が必要だが、予防保全型では約140億円に縮減されるとする。
 提供:建通新聞社