日本工業経済新聞社(群馬)
2016/03/31
【群馬】群馬東部水道企業団、入札方式は市町を引き継ぐ
太田市や館林市、みどり市、板倉町、明和町、千代田町、板倉町、邑楽町が参加する群馬東部水道企業団が1日付で発足した。8市町の上水道事業を所管することから工事の入札方法が注目されていたが、工事場所がある各市町で従来実施している入札方式を引き継ぐこととした。工事の入札には原則的に地域要件が設定され、各市町内の企業が参加する形となる。新組織は5課支所・13係となり、5町の工務関係は館林支所が担当する。
同企業団では、初年度当初予算の建設改良費に約39億8000万円を計上し、老朽管などの更新や市町間を結ぶ管路の新設などに充てる。本年度1年間の工事や業務委託の入札は、15回を予定している。
工事の入札方式は、各市町で条件付き一般競争や指名競争の基準となる設計金額が異なるため、協議を重ねていたが、参加企業の混乱を防ぐため、各市町のやり方のままでスタートすることとなった。
予定価格は、事前公表で統一される。最低制限価格は設定していない町もあったが、企業団では全ての工事に設けられることになり、算定式は太田市が使用している2011年の中央公契連モデルを採用する。総合評価落札方式は本年度についてはなく、今後検討していく。
地域要件は、これまで地域の水道工事を支えてきた企業に配慮し、主な工事では引き続き各市町単位で設定される。市町間をまたぐ連絡管路の工事や高い技術力が求められる特殊な工事の発注では、ケースごとに入札審査委員会で地域要件や入札方式を考えていく。
等級格付は、太田市を参考に土木、建築、電気、管、舗装、造園、水道施設の7工種で、全てA、Bの2ランクのみ。これまでの主観点が自治体ごとに異なることから、今回は客観点のみで格付けする。
また、業務委託のうち、測量設計など建設コンサルの発注では、指名競争のみを行っていた市町もあるため、これまで入札に参加していた企業が全て参加できる形を取る。庁舎管理や一部の窓口業務は、太田市や館林市が導入していた水道事業包括業務委託で行われる。
新組織は、各市町から職員が出向し78人体制となる。本所は太田市役所の水道庁舎に置かれ、太田市内での工事も本所の工務管理課が担当。館林支所は、3月に移転した館林水道センター(館林市広内町)に置かれ、館林市内と邑楽郡5町内の工事を受け持つ。5町に置かれる営業所は、料金の支払い業務などを行うのみとなる。みどり支所は、みどり市役所大間々庁舎に置き、同市内の工務を所管する。