三重県環境生活部は、計画的な生活排水処理施設の整備を進めるための「次期三重県生活排水処理アクションプログラム」(以下、次期プログラム)の策定に当たり、中間案を公表した。21日まで意見を募集している。生活排水処理整備率の2025年度の中期目標について、15年度の数値に対して10ポイントのアップとなる92・3%を目標値として掲げた。5月以降に最終案を作成し、6月県議会で報告する意向だ。
県の生活排水処理状況を見ると、14年度末には81・5%と順調に整備率を上げ、15年度末見込みでは、現行のアクションプログラム(1996年度策定)で掲げた82・2%の目標値を達成する見込みとしているが、全国平均の89・5%(14年度末)に比べると依然として低い状況にある。そこで、引き続き生活排水処理施設の整備を促進するため、14年度を基準年度とし、おおむね10年後の25年度を中期目標、おおむね20年後の35年度を長期目標とした次期プログラムを策定し、市町ごとの整備水準の目標値を設定する。策定に当たっては、14年度に県が示した「生活排水処理施設整備基本方針」に沿って、市町が整備計画を策定し、県が取りまとめる。
整備目標は、14年度末の整備率81・5%(整備人口約151万人)に対し、25年度に92・3%(同約159万9000人)、35年度に97・6%(同約155万4000人)を目標値として掲げた。長期目標を事業別で見ると、下水道が50・7%を75・5%、農業集落排水施設などが5・1%を4・8%、漁業集落排水施設が0・3%を0・4%、コミュニティ・プラントが0・2%を0%と設定した。浄化槽については、市町村設置型浄化槽が0・8%を2・6%、個人設置型浄化槽などが24・4%を14・3%とした。(整備人口の減少により、事業により整備率は減少する)
投資予定額は、整備率の目標値を達成させるために必要となる投資額を積み上げたもので、中期目標の92・3%に対しては、累計で1兆7761億円、長期目標の97・6%に対しては、累計で1兆9782億円の投資を必要とした。中・長期の期間内の投資額を算定すると、中期に2441億円、長期に2021億円となり、事業別のうち、事業費の多い下水道事業では、中期に2170億円、長期に1819億円の投資が見込まれる。
計画推進の施策では、県側として流域下水道施設の整備とともに、市町が進める公共下水道のコスト縮減技術や整備手法の情報提供などを行う。浄化槽については、合併処理浄化槽への転換補助制度などの活用を図る。生活排水処理施設の整備に関する交付金制度の活用を図る―などに取り組む。
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建通新聞社