工事成績評定の統一的な運用を目指し、国土交通省近畿地方整備局は4月にも工事検査分科会を立ち上げ、初会合を開く。同分科会は近畿ブロック発注者協議会に新設。近畿地整と近畿2府5県の自治体などで工事検査の在り方、考え方について情報共有を図り、さらなる品質確保につなげる考えだ。
現行の工事成績評定は、「施工体制」「施工状況」「出来形及び出来ばえ」「工事特性」「創意工夫」「社会性等」「法令遵守等」の七つの評価項目(細別全14項目)で構成し、一つの工事を100点満点で評価する。工事完成後、主任監督官ら3人がチェックし、点数を付ける仕組みだ。
評価に当たっては、考査項目別運用表などを使い、各項目を評価、点数化。評定結果は工事の難易度評価と併せて、請負業者に通知する。
工事成績評定は、「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」の施行(2001年)後、より厳格に公共工事の品質確保が求められるようになり、会計法に基づく給付の完了検査から技術的な側面を抜き出す形で、全整備局で統一的な運用が図られるようになった。
その後、地方自治体などにも浸透が図られ、近畿圏では、15年度に入りようやく、2府5県と4政令市が、国交省と同一の評価項目を使用するに至った。ただ、発注機関によって評定点にバラつきがあるのが現状。今後は、工事検査の在り方、考え方など工事成績評定の運用面の統一を図りながら、全ての発注者が発注関係事務を適切に実施できるように、連携・支援体制を強化していく。分科会新設はその一環。
担当者は、「施工実績を加点する施工能力評価型のように、工事成績の高い企業が有利になる総合評価もある。完成した工事を適切に評価することが、企業の技術力を引き上げ、ひいては品質確保につながる」と話す。
提供:建通新聞社