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日本工業経済新聞社(茨城)
2016/03/29

【茨城】水戸市が新市民会館等施設建築物設計の候補者選定

 水戸市文化交流課は28日、新市民会館等施設建築物設計候補者選定に係る公募型プロポーザルについて、二次評価の審査結果を公表した。代表企業最優秀者(優先交渉権者)は活ノ東豊雄建築設計事務所(東京都渋谷区)、市内企業最優秀者(同)は渇。須賀満夫建築設計事務所を選定。施工者の泉町1丁目北地区市街地再開発準備組合(宇野光一理事長)へ設計業務の最適な候補者として推薦する。今後は両者でJVを結成し、再開発事業の都市計画決定後に本契約を締結、20カ月程度の納期で設計をまとめていく。
 新たな市民会館は、泉町1丁目北地区市街地再開発事業(施行区域約1・4ha)で整備する。概算工事費は舞台等関連工事費を含め約182億円。新年度以降のスケジュールは、2016年度に組合設立の事業認可、17年度に権利変換計画認可、18年度から3カ年で解体工事や施設建築物工事を進め、20年度内のオープンを目指していく。
 代表企業最優秀者の提案は、敷地中央にRC造4階建ての大劇場を配置し、やぐら状の木組みが建物をつつむとともに、市民活動を支える大きな公共空間「やぐら広場」を実現。
 規模はRC・S・W造4階建て2万1630u。大ホールは2000席、500席の多機能ホールや大会議室、展示スタジオなどを備える。商業施設(合計1000u)は1階部分の国道50号側と西側に配置。
 やぐら広場は水戸芸術館の広場に向けて開かれ、国道50号とつなぐような形でL字型に設けられている。自然環境に配慮したイメージを演出し、力強さと温かみを持つ水戸藩城下町にふさわしい点が高評価につながった。
 また、大ホールはバランスが取れた計画となっており、さまざまな舞台形式の利用が想定され、商業施設や会議室、スタジオなど常時使用される区間が国道50号側の商店街に対してまちの顔をつくり、人のにぎわいが溢れ出すように計画されている点も高く評価された。
 地下には機械室や駐車スペース(1500u)を配置。屋上には太陽光パネルや太陽熱温水パネルを設置し、非常時の自立電源としても活用する。
 市内企業最優秀者の提案は、地域特性や地域資源の活用が具体的で、彰往考来の精神を生かしたまちの修景計画や、八溝杉などの地場産材の使用といった、代表企業最優秀者との親和性の高さが評価された。
 当日は、市新たな市民会館等施設建築物設計候補者評価委員会議の貝島桃代委員長(筑波大学芸術系准教授)が高橋靖市長に選定結果と講評を提出。貝島委員長はこれまでの経緯を説明し、最優秀者を「W造を特徴とする堂々とした作品。近年の伊東豊雄氏の作品とは全く違うユニークなものになっている」と評した。
 高橋市長は「隣接する水戸芸術館は磯崎新氏、そして新市民会館は伊東豊雄氏と、図らずも巨匠の作品が並ぶことになり、非常にワクワクしている」とコメントした。
 なお、次点者(次点交渉権者)に選ばれたのは、代表企業が(仮称)teco・能作建築設計事務所設計共同企業体、市内企業が潟Gイプラス・デザイン。
 代表企業の参加者数は全60者(うち辞退7者)で、二次評価選出者は伊東豊雄建築設計事務所、(仮称)安井建築設計事務所・柳澤孝彦+TAK建築研究所設計共同企業体、(仮称)橋一平建築事務所+富士工業設計共同企業体、(仮称)teco・能作建築設計事務所設計共同企業体、(仮称)吉村・浅子設計共同企業体の5者。