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建通新聞社(中部)
2016/03/29

【三重】新建設産業プラン策定 16年度に延期 三重県

 三重県県土整備部は、「新三重県建設産業活性化プラン(仮称)」(以下、新プラン)について、当初の2015年度内の策定予定を延期し、引き続き、建設業界と議論、検討を行い、16年度に新プランを策定する考えを示した。県議会防災県土整備企業常任委員会の所管事項で県側が取り組み状況や、計画策定に当たってさらに深い議論が必要とする延期理由などを説明した。
 県では、建設業の活性化を促進するため県行政と建設業界が協力して取り組む施策をまとめた「三重県建設産業活性化プラン」を12年度に策定し、15年度までの4年間に入札制度の改善などに取り組んでいる。その成果として、目標値をほぼ達成するなど一程度の成果を挙げながらも、人材確保や利益率など「建設業界は活性化を実感できていない」とし、数字上の達成度に見合うような業界側の満足度を得られなかったという反省点も県側が示していた。
 新プラン策定に当たっては、現プランの成果と課題を踏まえて、有識者や建設業界などで構成する検討会議を2回開催し、若年者らの人材の確保・育成など各課題についての施策案を検討していた。
 委員会では、委員から計画策定時期の延期について、「時間をかけてしっかりやることは大切」との意見とともに、「地域にあった入札制度の必要性」、「下請け企業への適正な代金の支払いの確認」、「土日の完全週休2日制への取り組み」、「中小企業の意見を反映させてほしい」などの意見が出された。県側は、各施策への取り組み姿勢を説明し「より良いものを作っていくためにいただいた時間を有効に活用して皆さんが納得できるものにしていきたい」と延期に対しての理解を求めた。この他、委員からは、「公契約条例」の制定の見通しについて質疑があり、県側は「公契約条例は公共事業だけでなく県の調達全てを規定していくものであるため、関係部局と検討している」と現状に触れるとともに、「県土整備部としては、公契約条例の目的や主旨に沿ったものを新プランにしっかり書き込み、部としての取り組みを明確にしていきたい」との考えを示した。
 新プラン策定の取り組み状況の説明では、将来ビジョンを現プランと同様に「技術力を持ち地域に貢献できる建設業〜確かな技術で地域に必要とされ未来に存続する〜」とし、取り組みの手法として、波及効果や実効性が高い「入札制度の改善」を中心に検討するものとした。
 今後の主な検討項目としては、「技術力」の面では、▽総合評価方式の拡大と評価方法の改善▽若手技術者が活躍する場の創出―など。「地域貢献」の面では、▽地域が期待する地域貢献の明確化▽大規模災害における複数の企業による協力体制の確立のための組織の維持への県への支援―など。「経営力」の面では、▽受注機会の増大▽適正な落札率の在り方▽土日完全週休2日制の確立のための工事関係者全体の取り組み―などを挙げた。

提供:建通新聞社