大工と庭師の専門学校・職藝学院(秦正徳学院長)は20日、富山市東黒牧の同学院で、「第19回卒業証書・生涯学生証授与式並びに第18回研究科修了証書授与式」を開催した。
この日は環境職藝科3名、建築職藝科の建築コース15名と家具・建具コース5名(女性2名)、環境職藝研究科4名(女性2名)、建築職藝研究科の建築コース1名と家具コース1名の29名が新たな門出を迎えた。
授与式では秦学院長が卒業証書、稲葉實理事長が生涯学生証を一人ひとりに手渡した。知事奨励賞の町純路氏のほか、職藝賞2名、皆勤賞2名に賞状が贈呈された。
式辞で秦学院長は、「卒業は通過点で本物になる出発点。人生の究極の目的は自己実現であり、自分が本来持つ能力を出し切り自分の目的、理想の実現に向け努力し成し遂げること。自分以外の人に社会の一員として認められることも重要」と述べ、「自分の能力を出し切るには、さらなる学習を積む必要がある。これからの節目、段階的に達成感を持ち自信を付けてほしい。プライドは優越感とは違うが、職藝学院で学んだプライドを持ち、くじけそうになった時、ここで学んだプライドを思い起こしてほしい」とあいさつ。
告辞では稲葉理事長が、「たくましい人格と技量を身に付け感動しており、日本の支えとして羽ばたくものと確信している。生涯学生証は学校と皆さんが対等で、生涯に渡りお互いに勉強し、交換しようという意味合いがある。学院の先生方は名人。今後も名人方と会話しながら、社会の変化を私たちに教えてほしい。20周年を迎えるに当たり、これからは地球レベルの交流の機会を作りたい。皆さんの心身の健康を祈る」と話した。
来賓から竹澤敏光県商工労働部職業能力開発課長(知事代理)と森井正秀富山市大山総合行政センター次長(市長代理)が祝辞を述べた。評議員の荒井公夫氏、県建築士会の中野健司会長らも見守った。
卒業生代表の答辞では、加藤早苗氏(34)が、「技は頭で覚えるものではなく、日々の積み重ねで徐々に体になじむものと実感した。職人を育てることは樹木を育てることに似て、一朝一夕にならない。私たちはまだ苗木だが、学校で吸収した栄養で枝葉を伸ばし、いつか実らせることを目指し、生涯学んで行きたい」と誓った。