大阪市港湾局は、築港・ベイエリア地区魅力アップの取り組みで、2016年度に天保山客船ターミナル整備・運営へのPFIアドバイザリー業務の委託のほか、天保山地区の施設整備を進める計画だ。アドバイザリー業務は、当初予算案成立後、速やかに事後審査型制限付一般競争入札で委託する考え。
15年度に三菱UFJリサーチ&コンサルティング(大阪市北区)に委託して実施した民間需要調査では、客船ターミナル整備に、宿泊施設と温浴施設を付加すれば、参画する事業者の需要があることが分かっている。同調査結果を踏まえて、16年度は、PFIによる整備・運営実施に向けた、導入可能性調査や実施方針、要求水準書案策定などを進める。
最低限確保する、客船ターミナルに必要なスペースは計5520平方b。主要機能は多目的ホール2室(1660平方b、1020平方b)、荷物置き場1060平方b。現施設は鉄筋コンクリート造2階建て延べ2979平方b。大阪市港区築港3ノ11ノ1にあり、現敷地面積は3145平方b。
同ターミナルは、大阪都市魅力創造戦略で世界第一級の文化観光拠点の形成に向けた重点エリア内にある。クルーズ客船の母港化を実現し、新たな集客観光拠点化を目指している。
クルーズ客船対応では、現在の11万5000dクラス対応の岸壁から、大型クルーズ客船に対応できる16万dクラスに対応できる岸壁への機能向上改修を15年度から開始している。15年度実施の係船柱整備に続き、16年度は防舷材据え付け工事を発注する。予算案成立後、庁内で積算に着手、発注時期は6〜7月ごろが見込まれる。実施設計は日本海洋コンサルタント(大阪市北区)が担当。
また、現客船ターミナルからの乗下船客へのおもてなし対応向上では、タクシー乗り場とタクシー待機スペースを確保する、ターミナル前のロータリー改良工事を16年度に発注。タクシー乗り場はロータリーの幅員が広い箇所(約16b)に4台分を配置し、待機スペースはロータリー中央広場を活用して30台程度分を整備する。同改良工の実施設計はシードコンサルタント(大阪市天王寺区)が担当。
提供:建通新聞社