九州フィナンシャルグループ(FG)の肥後銀行は11日、「PPP/PFIプラットフォーム」の設立記念講演会を開いた。平成27年11月に熊本県建設業協会など県内業界10団体とプラットフォームを立ち上げており、講演会は活動の第1弾。今後セミナーや個別相談会、勉強会などを実施し、自治体への提案活動を本格的に展開する。
地域貢献の観点から地元自治体の公共施設老朽化問題などに積極的に取り組み、PPP(官民連携)とPFI(民間資金活用による社会資本整備)の普及促進を図る狙い。九州FGの肥後銀行と鹿児島銀行がそれぞれの県で事務局を務め、情報共有する。
本店であった講演会には業界団体関係者や自治体職員、地方議員、民間企業などから300人が参加、東洋大PPP研究センター長で内閣府PFI推進委員会委員の根本祐二氏が「PPPで乗り切るインフラ老朽化問題」をテーマに講演した。
今後の公共事業を根本氏は「財源が絶対足りない。社会保障費も減らさず現在のインフラを維持するのは不可能だ」と断言した。人口20万人以上の市で総事業費10億円以上、単年度1億円以上の事業、公的不動産活用はPPP/PFIを優先検討すべきとした27年12月の政府方針については「まず≠ナあって、いずれ全国に広がる。PPP/PFIをできない場合、その理由の説明責任を負う。これは歴史的な転換だ」と解説した。
全国の先行事例として東京都府中市の「けやき並木通り周辺地区道路等包括管理業務委託」を紹介し、▽きめ細かなメンテナンスは地元企業でないとできない▽受注すればノウハウが蓄積できチャンスに繋がる▽委託費は決まっており知恵を出してコストを下げれば利益が上がる▽住民も行政も誰一人損をしない―と説明した。自治体に対しては、東洋大学が作成した公共施設・土木インフラ種類別基準(標準モデル)を活用して検討するよう求めた。
肥後銀行地域振興部の竹下元久理事部長は「自治体と民間企業との官民連携を進め、更なる地域活性化、地方創生への貢献を目指す」と話す。28年度は3回のセミナーのほか個別の勉強会や相談会を企画しており、将来的には自治体からの素材提供を受け様々な視点で検討し、具体的な事業化を提案する。
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西日本建設新聞社