千葉港港湾計画の改訂に向けた「千葉県地方港湾審議会千葉港幹事部会」(部会長=福川順・関東地方整備局千葉港湾事務所長)の第4回目が15日、千葉市内のホテルプラザ菜の花で開催され、千葉港長期構想の骨子をまとめた。今後の施策展開では、千葉港全体のコンテナ取扱量を中期で現在の約10万個(TEU)の3倍にあたる30万TEU、長期で4倍にあたる40万TEUを目指す。また、新たに港湾の整備、管理、運営ではPPP・PFIの導入可能性を検討。同手法の検討などに伴い、策定スケジュールを変更。構想は本年8月下旬の策定を目指す。
策定スケジュールは、長期目標となる取扱貨物量の県内の経済波及効果や雇用創出効果などの詳細な分析、PPP・PFIの導入可能性・手法について各検討が必要になったことから変更。今月17日の専門部会での検討を踏まえて7月中旬の第4回専門部会で長期構想案をまとめ、7月中旬にパブリックコメントを実施、8月下旬の地方港湾審議会での策定を目指す。新年度での港湾計画案の策定、17年度での改訂というスケジュールに変更はない。
骨子は、千葉港の将来像を@グローバル化、地域間競争の時代の県内企業の発展を支える千葉港A県民の生活と安心を支え、県民と共にある千葉港B環境を守り、人々が海を感じふれあえる千葉港――とし、千葉港全体のコンテナ取扱量を2032年度までの中期で現在の約10万個(TEU)の3倍の30万TEU、47年度までの長期で約4倍の40万TEUを目指す。
施策展開では、全体を@物流関連ゾーン(外貿コンテナ)A同(公共一般、RORO貨物)B産業ゾーンC都市機能ゾーンD親水・交流ゾーンE自然環境の保全・再生ゾーン――の6ゾーンに分類し、各地区ごとの施策展開が示された。
物流関連ゾーンは、外貿コンテナ貨物、鋼材や化学工業品、RORO貨物を扱い、産業ゾーンは臨海部の鉄鋼業や石油化学製造業などの産業活動に提供。都市機能ゾーンは、集客施設や商業施設を立地。親水・交流ゾーンは、人々が海に親しむことのできるゾーンとする。また自然環境・保全ゾーンは、三番瀬等の貴重な自然環境を保全・再生する。
地区別では、葛南中央地区で臨港道路を新規に位置付けるほか、千葉中央地区の中央埠頭でコンテナヤードを拡張し、出洲埠頭で駐車場、倉庫を埋立地に移転、新たな物流施設を誘致し、土地の高度利用を図る。
一方、港湾の運営では、これまでの直接の港湾経営・管理を見直し、あらゆる可能性(PPP等手法の選定、官民の業務範囲、リスク分担など)を検討し、PPP、港湾運営会社、指定管理者制度などを導入していく。
地区別の施策展開は次の通り。
【葛南東部、葛南中央、葛南西部地区】
▽葛南東部地区=物流関連ゾーンとする。船橋東埠頭岸壁前面の水域の有効活用を検討。
▽葛南中央地区=@スクラップや鋼材の取扱を主力とする物流関連ゾーンと鋼材などの生産ゾーンとするA海浜部は地元住民のための親水・交流ゾーンとするB臨港道路を新規に位置付ける。
▽葛南西部地区=鉄鋼等や砂、土砂を取り扱う物流関連ゾーンとする。
【千葉中央地区】
▽中央埠頭=@完成自動車とコンテナの取扱が主力A今後はコンテナ貨物を増やしコンテナヤードの拡張を行う。
▽出洲埠頭=@今後は、RORO及び自動車等の国内貨物を基本とするA埠頭関連用地にある、駐車場、倉庫を埋立地に移転後、新たな物流施設を誘致し、土地の高度利用を図る。
▽埋立地区=埋立地にヤードを確保。長期的には倉庫を整備する。
【千葉北部地区】
人工海浜部は緑地レクリエーションゾーン、その背後地を都市機能ゾーンとし、互いに連係し海浜に親しめる地区とする。
【千葉南、八幡、五井、姉崎、北袖ケ浦、南袖ケ浦地区】
製鉄製品、石油製品、化学工業品の生産ゾーン地区とする。