徳島県警察本部は、2016年度の営繕計画として、新防災センター(徳島東署)施設整備PFIアドバイザリー事業に着手するほか、美馬警察署つるぎ庁舎の耐震改修整備事業、阿南警察署羽ノ浦町交番の建て替え、警察本部庁舎の防災機能強化(止水板、井戸更新)などを計画している。また、新たに駐在所整備にPFI導入を検討しており、16年度に可能性調査を実施するため、当初予算案に関連事業費を盛り込んでいる。
<新防災センター(徳島東署)施設整備PFIアドバイザリー事業>
治安・防災の新中核拠点となる徳島東警察署を核とした施設を整備する。これまでの調査・検討などで民間資金・活力を導入するPFI事業で進める方針を打ち出しており、16年度後半に実施方針を公表、17年度に事業契約を行い、整備に着手する計画。
16年度から2カ年で進めるPFIアドバイザリー事業の事業者選定は、第1四半期中にも実施(選定方法は今後決める)し、実施方針の早期策定着手を目指す。当初予算案にはPFIアドバイザリー事業費として、17年度の債務負担行為限度額1700万円を設定した上で1300万円を計上。実施方針は早ければ年内にも公表される見通し。また、PFIの事業者公募は17年度に実施し、同年度中の契約を見込む。整備スケジュールではPFI事業者による18年度の設計着手を予定している。
建設地は徳島市徳島町1ノ5の徳島地方裁判所跡地約4000平方b。新施設は、津波などの災害に備えた構造で、来庁者の利便性を考慮したバリアフリー化などを施し、捜査本部室や証拠品倉庫、取調室の充実や職場環境を改善するため、床面積は既設庁舎の規模より増床。延べ床面積9000平方b前後を想定。このほか自走式立体駐車場の整備、ホバリングスペースの設置、Sランクの環境性能(CASBEE)なども見込まれている。
基本構想の策定やPFI導入可能性調査は八千代エンジニヤリング徳島事務所(徳島市)が担当している。
<警察署庁舎耐震改修整備事業>
美馬警察署庁舎の耐震改修を継続するほか、美馬警察署つるぎ庁舎の耐震改修に向け16年度に設計・工事に着手する。事業費は美馬警察署庁舎に2億6826万円、美馬警察署つるぎ庁舎に9809万円。
美馬警察署つるぎ庁舎の既設規模は鉄筋コンクリート造3階建て延べ1196平方b。耐震基準を満たしておらず、築50年近く経過し老朽化も進んでいることから、庁舎の耐震性能の向上と長寿命化の措置を早急に講じるため、耐震改修を図る。所在地はつるぎ町貞光大須賀40ノ2。
<交番・駐在所等整備事業>
地域防災力の向上と地域警察の拠点強化のため、老朽化の著しい阿南警察署羽ノ浦町交番の建て替えと長寿命化の視点で駐在所リフォーム整備事業を進める。また、駐在所のリフォームについては整備時期が集中しており、長寿命化に当たり、事業費の平準化が課題となることから、民間資金や活力を導入したPFI事業の導入を視野に入れ進めたいとし、16年度に導入可能性調査を実施する。
阿南警察署羽ノ浦町交番の建て替えには事業費5671万円(設計・工事費)、駐在所リフォーム整備事業では、三好警察署東みよし町加茂駐在所、美馬警察署美馬町喜来駐在所、阿波吉野川警察署鴨島町飲尾駐在所の3駐在所を対象に、防水・外壁・水回りを改修するための事業費3000万円、駐在所整備PFI導入可能性調査事業では、10カ所の駐在所を対象に調査を実施する。
<警察施設防災機能強化事業>
南海トラフ巨大地震などに備えるため、警察本部庁舎、警察署の防災設備機器の浸水対策や必要なら止水板など設置し、防災機能強化を図る。16年度は警察本部庁舎と鳴門警察署を対象に工事を実施するほか、徳島北・小松島・阿南警察署で可能性調査を実施する計画。事業費は警察本部庁舎で1億3236万円、鳴門警察署で6078万円。可能性調査に1794万円。警察本部庁舎で止水板と井戸の更新、鳴門警察署で自家発電設備の更新を中心に整備する予定。
<警察施設長寿命化推進事業>
県公共施設等総合管理計画と警察施設の長寿命化を推進するため、個別施設計画の策定の基礎資料となる詳細な現況調査や保全台帳の整備を図る。調査は4カ年程度かけて廃止や統合などを予定する施設を除くほぼ全ての施設(宿舎も含め70カ所程度)を対象に実施する。
2年目に当たる16年度は、15年度に実施した警察本部庁舎、阿南警察署・徳島北警察署など10カ所に続き、運転免許センターや鳴門警察署・板野警察署・阿波吉野川警察署・美馬警察署などで12棟の施設を調査する計画。事業費989万円。
<県警ヘリコプターテレビシステム地上設備機能強化事業>
本部庁舎や受信基地局のヘリコプターテレビシステム地上設備更新(デジタル化、アンテナ更新も含む)。事業費2億円。
提供:建通新聞社