建設新聞社
2016/03/09
【東北・宮城】ICT建機やロボスーツなど視察/東北震災復興i―Con連絡会議
東北地方整備局は4日、「東北震災復興i―Construction(ICT)連絡会議」の現地視察を実施した。視察対象は、佐藤工務店(宮城県加美町)が施工する「鳴瀬川中下地区背割堤(3工区)工事」(宮城県東松島市)と、大林組JVが施工する「第3南蒲生幹線工事2」(仙台市)の2現場。参加した委員は、ドローンによる写真測量やICT建機、作業支援用ロボットスーツなどの最新技術が活用された現場を見学した。
今回の現地視察は、ICTの活用状況や効果、課題を把握する取り組みの一環として実施したもの。連絡会議の建設関係団体委員として▽竹浪浩氏(日本建設業連合会東北支部長)▽千葉嘉春氏(宮城県建設業協会専務理事)▽大槻良子氏(東北建設業協会連合会専務理事)▽遠藤敏雄氏(建設コンサルタンツ協会東北支部長)▽鵜沼順二郎氏(東北測量設計協会会長)▽鈴木研司氏(東北地方整備局企画部長)―らが参加した。
佐藤工務店の現場は、2015年9月の豪雨で被害を受けた背割堤を補強する工事で、▽RTK―GNSSによる測量(準備工)▽ドローンによる写真測量(同)▽マシンガイダンスによる法面整形(盛土工)▽盛土の敷均し締固め管理システム(同)▽マシンコントロールによる敷均し(同、付帯道路工)―などのICTが使われた。
視察に際しては、ドローンを実際に飛ばせて写真を撮影したほか、ICT建機のデモ施工などを行った。現場の技術者によると、「ドローンによる測量を試行したところ、人員、コストを3割削減することができた」という。また、ICT建機を活用することで、熟練したオペレーターでなくても高い品質の施工が可能であることも説明された。
他方、大林組JVの現場は、被災時に第1・第2南蒲生幹線をバックアップする幹線を整備する工事で、泥水式シールド工などを採用。2次覆工を省略したトンネル部材(コンクリートセグメント)をボルトで締結しており、継手部分の空間にモルタルを充填する。
モルタル充填に使うセメント袋は人力で運搬・荷下ろしする必要があるため、作業支援用(腰タイプ)ロボットスーツ「HAL」を活用している。同JVの担当者によると「セメント袋は20`cの重さがあるが、HALを使えば腰に掛かる負担が半分になる」などと説明した。
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