日本工業経済新聞社(群馬)
2016/03/08
【群馬】県館林土木、国道354号板倉北川辺BPに注力
県館林土木事務所は、国道354号板倉北川辺バイパスの整備事業で、2016年度も地盤改良工やボックスカルバート工などを精力的に進める。新年度は埋蔵文化財調査が終わり次第、計L約540mの地盤改良工を分割しながら発注するほか、谷田川橋梁の床版工や同橋梁付近での護岸工なども進める。
国道354号板倉北川辺バイパスは、同国道の小保呂交差点から埼玉県加須市北川辺地内へ至る、延長4・5qの新設道路。幅員11・5mの2車線を整備するため、群馬・埼玉両県でそれぞれ県が工事を実施中。
本県側は、小保呂交差点から県境までのL2640mが事業区間で、総事業費は26億1300万円を試算。埋蔵文化財調査によりこの金額は若干増える可能性もあるが、現時点では用地買収もほぼ完了に近づき、事業費ベースの進捗率も5割に迫っている。
バイパスのルートは板倉町海老瀬から下五箇の水田地帯であり、軟弱地盤であるためサーチャージ盛り土による地盤改良が進行しているところ。本年度の埋蔵文化財の試掘調査では、下五箇地内の県境寄り2カ所で本調査が必要とする区間が見つかったため、県教育委員会へ本調査を依頼済み。調査が終われば、同区間計L約540mの工事が発注される。
バイパス上の主な構造物は、大箇野川のボックスカルバートの谷田川橋梁(鋼3径間連続非合成鈑桁橋、L97・7m)だが、大箇野川のボックスカルバート工は昨年8月から施工しているほか、谷田川橋梁も先月で橋桁製作架設工まで発注済み。そのほかでは、谷田川橋梁の両岸で町道計3本との立体交差があり、新年度はこのボックスカルバート工が発注される。それぞれW4m程度の町道だが、左岸(海老瀬)で町道2本、右岸(下五箇)で1本と交差することになる。また、同橋梁の床版工や同橋梁前後の護岸工の発注が予定されている。
18年度の予定は舗装工、排水路工、側溝工などを実施し、埼玉県側と協調して事業を仕上げ開通させる。
国道354号は、近年東毛広域幹線道路として板倉バイパスまで整備が進んだため、同バイパスから埼玉県方向へ抜ける区間の急カーブや狭あい箇所が課題となっていた。
埼玉県側でも、加須市柏戸地内の柏戸(中)交差点までは良好な道路が整備済み。板倉北川辺バイパスの開通により課題が解消され、物流環境の改善、埼玉・茨城といった近県との交流確保などが期待される。