福島建設工業新聞社
2016/03/08
【福島】災害アーカイブ施設/基本構想策定でプロポ公告
県は7日、東日本大震災・原子力災害アーカイブ拠点施設基本構想策定業務の公募型プロポーザルを公告した。参加表明書を18日、企画提案書を31日まで提出。4月1日に1次審査、同5日に2次審査となるプレゼンテーション・ヒアリング(非公開)を行い、同8日ごろ選定結果を通知する。
参加資格は類似施設の契約実績等としており、地域要件や実績とする施設の規模は問わない。アーカイブ施設、博物館、展示施設などの基本計画、基本構想が実績に含まれるようだ。
提案のテーマは@アーカイブ拠点に求められるさまざまな連携や情報発信・交流の考え方、手法A同施設を浜通りの地域の核として、地域住民の参画と地域の復興へ果たす役割の考え方、手法B同施設での資料収集とその活用の考え方、手法C独自の提案。参考業務規模は1400万円(消費税込)程度。履行期間は5カ月間。
委託業務の内容は拠点施設の考え方の整理、施設基本計画、展示基本計画、管理・運営体制の検討、整備スケジュールの策定・概算費用の算出、検討会の運営支援・情報提供、業務支援。このうち施設基本計画には、必要な機能・規模、空間配置・動線の方向性が含まれる。県民向けの講演会を1回以上開催し、意見をまとめて構想に反映させることも求める。
同施設は、国のイノベーション・コースト構想の一つとして具体化を進めるもので、複合災害の記録と教訓、そこから着実に復興する過程を収集・保存研究し、世界に発信する。
機能、内容については昨年開催した有識者会議からの提言を基に進める方針。提言では施設を展示・交流、資料、研究の3エリアに分け、「阪神・淡路大震災 人と防災未来センター」など「国内のアーカイブ施設を参考とした規模」としているが、有識者会議では1万2700平方b程度とする規模が示されている。
建設地については年度内に決定する予定。構想策定費は28年度当初予算で措置するため、予算成立が契約の条件となる。28年度当初予算案には施設整備基本構想策定、震災資料の収集強化、分類も含めて2656万8000円を計上している。