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日刊建設工業新聞
2016/03/07

【鳥取】県企業局 4カ年計画42億円で舂米発電所を全面リニューアル

 県企業局は、若桜町大炊にある県営舂米発電所のリニューアル工事を計画している。2014年度から2カ年計画でまとめた基本・実施設計をもとに、16年度から19年度までの5年間で工事を行う方針を固め、県の16年度当初予算案に改良、修繕、除却の経費として4年間の継続費41億6000万円を計上した。初年度となる16年度は、実施設計、用地買収などのほか、専門業者が対象と見られる水車発電機の製作・据付工事、水圧鉄管製作・据付工事を先行して発注する予定。
 県内にある県営水力発電所について、同局では「水力発電所の100年運転」を達成するため、施設の長寿命化と運転経費や維持管理費など関連経費の平準化に努めている。しかし、運用開始から40年以上を経過した舂米、小鹿第一(三朝町神倉)、小鹿第二(三朝町三朝)、日野川第一(日野町福長)の4カ所の発電所については、機器などの劣化が進行している。このため、大規模改修を順次行い、発電効率を改善することで発電出力を向上させる。
  16年度からリニューアル工事に入る舂米発電所は、1960年12月から運転開始した同町茗荷谷にある堤長124・47b、堤高40bの重力式コンクリートダムで、有効容量は40万立方bの茗荷谷ダムの発電用利水を使ったダム水路式の発電所。最大出力は7900kWで、年間の可能発電電力量は約3万3737MWh。地下4階建ての地下構造物の中に設置されている発電所内部の水車発電機、延長380bの水圧鉄管を全面更新する。また、取水施設の改修や導水路の改修・補修、ダム堤体の補修を行うほか、管理棟を改築する。FIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を適用した施設の改修計画で、17年度前半から18年度にかけて発電を停止する予定だが、早ければ18年度にもリニューアル工事を終え、運転を再開する見通し。開始したいとしている。
 概算工事費は現在、全面更新する水車発電機に約15億円、同じく全面更新の水圧鉄管に約5億円を想定。取水施設、延長約1・6`の改修のほか補修する導水路など土木工事に約11億円を想定しているほか、ダム堤体の補修に約1億円を想定している。このほか、管理棟の建築や設備の除却(解体)などに相当額の工事が投入される見込み。基本・実施設計業務は中電技術コンサルタントが担当。3月には、地下埋設構造物の改修や水圧鉄管更新、導水路改修・補修の実施設計業務の設計者を公募型プロポーザルで選定する。測量や地質調査、土砂災害対策工事の実施設計業務は地元の土木コンサルタントを対象に3月にも発注する。